最高のパフォーマンスを見せた先発完投型投手に贈られる沢村賞。
今年も好投手が多数おり、誰が沢村賞を受賞するのか気になるところ。
そこでこの記事では、2023年沢村賞候補者の選考基準に照らし合わせた成績比較から受賞者を予想していきます。
沢村賞の選出基準【概要】
沢村賞は、7項目の基準に加えて1つの補足項目で選出されます。
- 先発登板数:25試合以上
- 完投数:10以上
- 勝利数:15勝以上
- 勝率:6割以上
- 投球回数:200イニング以上
- 奪三振:150個以上
- 防御率:2.50以下
※補足項目:クオリティスタート(QS)達成率が一定以上。
ただし、沢村賞のQSの基準は「7回3自責点以内」と通常と異なる。
上記の項目の達成具合から、沢村賞の選考委員会が話し合って選出します。
2022年の選考委員会メンバーは下記の通り。
- 堀内恒夫(委員長)
- 山田久志
- 平松政次
- 北別府学(2023年6月に死去)
北別府氏の代わりに、過去に選考委員を務めた工藤公康氏や斎藤雅樹氏が選考委員に入るものと思われます。
【2023年】沢村賞候補者の成績を徹底比較!
沢村賞の受賞可能性がある投手として下記の4名を選出。
- 山本由伸(オリックス)
- 東克樹(DeNA)
- 村上頌樹(阪神)
- 戸郷翔征(巨人)
この4投手の成績を選出基準と照らし合わせて比較します。
比較項目 | 山本由伸 | 東克樹 | 村上頌樹 | 戸郷翔征 |
---|---|---|---|---|
先発登板数 | 23 | 24 | 21 | 24 |
完投数 | 2 | 4 | 2 | 4 |
勝利数 | 16 | 16 | 10 | 12 |
勝率 | .727 | .842 | .625 | .706 |
投球回数 | 164 | 172.1 | 144.1 | 170 |
奪三振 | 169 | 133 | 137 | 141 |
防御率 | 1.21 | 1.98 | 1.75 | 2.38 |
QS率 ※7回3自責点 | 73.9% | 82.6% | 57.1% | 54.2% |
選出基準を満たした項目数での比較
候補者名 | 選出基準を満たした項目数 |
---|---|
山本由伸 | 4 |
東克樹 | 3 |
村上頌樹 | 2 |
戸郷翔征 | 2 |
単純に選出基準を満たした数で比較すると、山本由伸投手が4項目で最多という結果となりました。
候補者内の中での相対的な成績比較
比較項目 | 山本由伸 | 東克樹 | 村上頌樹 | 戸郷翔征 |
---|---|---|---|---|
先発登板数 | 23 | 24 | 21 | 24 |
完投数 | 2 | 4 | 2 | 4 |
勝利数 | 16 | 16 | 10 | 12 |
勝率 | .727 | .842 | .625 | .706 |
投球回数 | 164 | 172.1 | 144.1 | 170 |
奪三振 | 169 | 133 | 137 | 141 |
防御率 | 1.21 | 1.98 | 1.75 | 2.38 |
QS率 ※7回3自責点 | 73.9% | 82.6% | 57.1% | 54.2% |
基準を満たした項目数ではなく、候補者内での純粋な成績比較の場合、東投手が6項目でトップに立っています。
候補者名 | 選出基準を満たした項目数 |
---|---|
山本由伸 | 3 |
東克樹 | 6 |
村上頌樹 | 0 |
戸郷翔征 | 2 |
【2023年】沢村賞の受賞者予想
まとめると、今年の沢村賞の受賞者はDeNA・東投手、もしくは東&山本のW受賞と予想します。
根拠は、沢村賞が先発完投型にこだわっているからです。
山本由伸の成績分析
オリックス・山本投手は今季も素晴らしい成績を残しました。
しかしながら、DeNA東投手と比較すると勝っている項目が奪三振と防御率の2項目のみ。
防御率1.21という異次元の成績は特筆すべきことですが、シーズン途中に体調不良で登板機会を逸したのが痛かったという印象です。
東克樹の成績分析
一方で、DeNA東投手は下記6項目において山本投手を上回る成績を残しました。
- 先発登板数
- 完投数
- 勝利数
- 勝率
- 投球回数
- QS率(独自ルールで7回3自責点以内)が一定以上
特に先発完投型を強く推す賞である沢村賞において、登板数・完投数・投球回数で上回っているのは大きいと予想。
補足項目でしかありませんが、QS率82.6%がダントツのトップであるのも好印象です。
結局は選考委員会の意見次第
相対的に比較した成績からいくと、DeNA・東投手が沢村賞を受賞すると予想。
ただ、山本投手も必ず比較対象として議論に上がるはずで、圧倒的な数字となった防御率1.21をどう評価するかがポイントとなりそうです。
山本投手は選出基準の個数は一番多く満たしているので、2003年以来のW受賞もあり得るかもしれません。