ポジションごとに最高の守備力を誇った選手に与えられるゴールデングラブ賞。
2024シーズンは誰が受賞するのか、多くの野球ファンが気になるところ。
この記事では、2024年のプロ野球において誰がゴールデングラブ賞を受賞するのか予想していきます。
【概要】ゴールデングラブ賞の選出方法や基準・条件は?
ゴールデングラブ賞とは、ポジションごとにその年で最高の守備を見せた選手に贈られる表彰です。
ゴールデングラブ賞の選出基準や条件は?
ゴールデングラブ賞には選出されるために満たすべき条件が存在します。
- 先発投手:規定投球回数以上(143回以上)投球
- リリーフ投手:チーム試合数の1/3以上(48試合以上)登板
- 捕手:チーム試合数の1/2以上(72試合以上)で捕手として出場
- 内野手:チーム試合数の1/2以上(72試合以上)に単一ポジションで出場
- 外野手:チーム試合数の1/2以上(72試合以上)で外野手として出場
規定打席や規定投球回の守備版のようなものです。
ゴールデングラブ賞の選出方法は?
ゴールデングラブ賞の選出方法は、ベストナインと同様に記者投票です。
投票資格を持つのは、日本の報道機関(新聞社、通信社、放送局)所属で、5年以上のキャリアを持つプロ野球記者。
無記名投票のため、明らかにおかしい票も散見されるという批判も起きています。
【2024年】ゴールデングラブ受賞者予想
2024年のゴールデングラブ賞受賞者を下記の通り予想します。
ポジション | セ・リーグ | パ・リーグ |
---|---|---|
投手 | 東克樹(De) | 有原航平(ソ) |
捕手 | 山本祐大(De) | 甲斐拓也(ソ) |
一塁手 | 岡本和真(巨) | ソト(ロ) |
二塁手 | 吉川尚輝(巨) | 小深田大翔(楽) |
三塁手 | 坂本勇人(巨) | 栗原陵矢(ソ) |
遊撃手 | 矢野雅哉(広) | 源田壮亮(西) |
外野手 | 近本光司(阪) | 辰己涼介(楽) |
外野手 | 秋山翔吾(広) | 周東佑京(ソ) |
外野手 | 岡林勇希(中) | 万波中正(日) |
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【2024年ゴールデングラブ】投手の候補選手比較
2024年のゴールデングラブ賞投手部門の候補者を比較していきます。
セ・リーグの候補選手比較
選手名 | 所属球団 | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|
東克樹 | DeNA | 26試 183回 34A 1E 守備率.979 | ◎ |
床田寛樹 | 広島 | 26試 167回 34A 2E 守備率.957 | 〇 |
大竹耕太郎 | 阪神 | 24試 144.2回 31A 0E 守備率1.000 | 〇 |
- A:補殺
- E:エラー
特に補殺(ピッチャーゴロ)が多かった3名をピックアップ。
しっかりゴロを捌き切ったという意味では、阪神の大竹が10割で守り切って非常に優秀。
しかしながら、ピッチャーのゴールデングラブ賞は守備成績よりも投手成績で選出される傾向にあり、そうなると投球成績で上位かつ守備機会も多かったDeNAの東が筆頭候補になりそうです。
パ・リーグの候補選手比較
選手名 | 所属球団 | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|
有原航平 | ソフトバンク | 26試 182.2回 20A 2E 守備率.979 | ◎ |
伊藤大海 | 日本ハム | 26試 176.1回 25A 1E 守備率.971 | △ |
小島和哉 | ロッテ | 25試 163.1回 28A 0E 守備率1.000 | 〇 |
純粋に守備機会だけで見ると、ロッテの小島が守備率10割で優秀な数値を残しました。
しかしながら、過去の傾向からすると、投球成績が抜群に良かった有原の方が可能性が高そうです。
【2024年ゴールデングラブ】捕手の候補選手比較
2024年のゴールデングラブ賞捕手部門の候補者を比較していきます。
セ・リーグの候補選手比較
選手名 | 所属球団 | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|
山本祐大 | DeNA | 106試 盗塁阻止率.373 守備率.997 | ◎ |
中村悠平 | ヤクルト | 94試 盗塁阻止率.477 守備率.997 | 〇 |
岸田行倫 | 巨人 | 79試 盗塁阻止率.487 守備率.995 | △ |
守備成績のみで見るとヤクルトの中村が今季も安定した守備、高い盗塁阻止率を記録。
一方で、全て捕手のせいではないにせよ、ヤクルトのチーム防御率はリーグ最下位ということもあり、これがどのように見られるかに左右されそうです。
チーム防御率1位の巨人からは岸田が受賞資格を満たしており、高い盗塁阻止率を記録していますが、いかんせん規定試合数ギリギリなのがマイナスポイント。
総合的に見ると、DeNAの山本が印象的な活躍を見せており、本サイトでは山本が受賞すると予想します。
パ・リーグの候補選手比較
選手名 | 所属球団 | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|
甲斐拓也 | ソフトバンク | 117試 盗塁阻止率.291 守備率.999 | ◎ |
古賀悠斗 | 西武 | 104試 盗塁阻止率.333 守備率.997 | △ |
若月健矢 | オリックス | 96試 盗塁阻止率.482 守備率.995 | 〇 |
昨季7年連続受賞を逃してしまった甲斐が今季ゴールデングラブ賞に返り咲きすると予想。
盗塁阻止率が.291と競合相手と比較すると低めなのがマイナスポイントですが、守備率やチームを正捕手として優勝に導いた点は高評価。
昨年のゴールデングラブ賞・若月は非常に高い盗塁阻止率を記録しましたが、チームの低迷や試合数が少ない点がマイナスポイントとなりそうです。
【2024年ゴールデングラブ】一塁手の候補選手比較
2024年のゴールデングラブ賞一塁手部門の候補者を比較していきます。
セ・リーグの候補選手比較
選手名 | 所属球団 | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|
岡本和真 | 巨人 | 130試 4E 守備率.996 スクープ率95.5% | ◎ |
大山悠輔 | 阪神 | 130試 7E 守備率.994 スクープ率81.8% | 〇 |
オスナ | ヤクルト | 141試 11E 守備率.991 スクープ率77.8% | △ |
- E:エラー
- スクープ率:ワンバウンド送球の捕球成功率
セリーグのファーストは、巨人の岡本が守備率とスクープ率で他の候補を圧倒。
岡本でほぼ間違いなさそうです。
パ・リーグの候補
選手名 | 所属球団 | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|
山川穂高 | ソフトバンク | 98試 5E 守備率.994 スクープ率100% RF8.67 | 〇 |
マルティネス | 日本ハム | 90試 4E 守備率.995 スクープ率90% RF9.16 | △ |
ソト | ロッテ | 90試 3E 守備率.996 スクープ率81.8% RF9.65 | ◎ |
- E:エラー
- スクープ率:ワンバウンド送球の捕球成功率
- RF:レンジファクター(守備範囲の広さを表す指標)
パリーグのゴールデングラブ賞は評価が分かれそうです。
チームの優勝に貢献し、ワンバウンド送球の処理を着実にこなした山川。
もしくは、守備範囲が多く(守備機会が多く)エラーが最小だったソト。
本記事では堅実性を重視し、ロッテのソトが受賞と予想します。
【2024年ゴールデングラブ】二塁手の候補選手比較
2024年のゴールデングラブ賞二塁手部門の候補者を比較していきます。
セ・リーグの候補選手比較
選手名 | 所属球団 | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|
中野拓夢 | 阪神 | 143試 8E 守備率.990 RF5.64 | 〇 |
吉川尚輝 | 巨人 | 143試 5E 守備率.994 RF5.84 | ◎ |
菊池涼介 | 広島 | 135試 7E 守備率.989 RF4.97 | △ |
- E:エラー
- RF:レンジファクター(守備範囲の広さを表す)
巨人の吉川が守備率でも守備範囲でも指標的には1位。
打撃も好調で印象も良く、自身初のゴールデングラブ賞受賞の可能性はかなり高そうです。
パ・リーグの候補選手比較
選手名 | 所属球団 | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|
小深田大翔 | 楽天 | 131試 5E 守備率.993 RF5.60 | ◎ |
外崎修汰 | 西武 | 124試 5E 守備率.992 RF5.13 | 〇 |
藤岡裕大 | ロッテ | 90試 5E 守備率.988 RF5.52 | △ |
パリーグは小深田が受賞濃厚と予想。
出場試合数、守備率、守備範囲、ダブルプレーへの関与数など全てにおいて対象者の中でトップでした。
【2024年ゴールデングラブ】三塁手の候補選手比較
2024年のゴールデングラブ賞三塁手部門の候補者を比較していきます。
セ・リーグの候補選手比較
選手名 | 所属球団 | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|
村上宗隆 | ヤクルト | 141試 15E 守備率.952 RF2.19 | △ |
小園海斗 | 広島 | 128試 12E 守備率.953 RF2.11 | △ |
宮﨑敏郎 | DeNA | 117試 9E 守備率.962 RF2.27 | 〇 |
坂本勇人 | 巨人 | 104試 6E 守備率.976 RF2.58 | ◎ |
- E:エラー
- RF:レンジファクター(守備範囲の広さを表す)
サードは巨人の坂本が受賞と予想。
元ショートの名手としてさすがの守備力を発揮し、出場試合数は他候補と比較して少ないものの、守備率や守備範囲で他候補を圧倒しました。
パ・リーグの候補選手比較
選手名 | 所属球団 | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|
栗原陵矢 | ソフトバンク | 139試 8E 守備率.975 RF2.26 | ◎ |
中村奨吾 | ロッテ | 120試 9E 守備率.968 RF2.50 | 〇 |
浅村栄斗 | 楽天 | 99試 9E 守備率.960 RF2.32 | 〇 |
宗佑磨 | オリックス | 95試 8E 守備率.960 RF2.38 | 〇 |
ソフトバンクの栗原が受賞と予想。
ただし、中村や浅村はコンバート初年度にもかかわらず高水準な守備を見せ、ゴールデングラブ賞常連の宗もさすがの守備を披露しており、激しい争いになっています。
その中でも栗原は139試合出場が光り、レンジファクターベースの守備範囲では競合と比較して若干劣るのはマイナスポイントではありますが、守備率.975はトップ。正三塁手として優勝に貢献したのもプラスに働くと考えられます。
【2024年ゴールデングラブ】遊撃手の候補選手比較
2024年のゴールデングラブ賞遊撃手部門の候補者を比較していきます。
セ・リーグの候補選手比較
選手名 | 所属球団 | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|
長岡秀樹 | ヤクルト | 143試 9E 守備率.986 RF4.52 | 〇 |
矢野雅哉 | 広島 | 132試 9E 守備率.985 RF4.96 | ◎ |
木浪聖也 | 阪神 | 114試 8E 守備率.984 RF4.69 | △ |
- E:エラー
- RF:レンジファクター(守備範囲の広さを表す)
ショートはヤクルト・長岡か広島・矢野で票が割れそうな状況。
長岡は全試合出場で守備率トップとタフさと堅実さにおいて強い印象を残しました。
一方で、矢野は野性的なプレーで圧倒的な守備範囲の広さを誇り、守備率も長岡と一厘差。
長岡も相当ハイレベルですが、今季強い印象を残した矢野がゴールデングラブ賞を獲得すると予想します。
パ・リーグの候補選手比較
選手名 | 所属球団 | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|
源田壮亮 | 西武 | 143試 4E 守備率.993 RF3.98 | ◎ |
村林一輝 | 楽天 | 138試 13E 守備率.979 RF4.58 | 〇 |
紅林弘太郎 | オリックス | 136試 6E 守備率.990 RF4.55 | 〇 |
今宮健太 | ソフトバンク | 132試 4E 守備率.992 RF4.20 | 〇 |
友杉篤輝 | ロッテ | 124試 14E 守備率.971 RF4.47 | △ |
水野達稀 | 日本ハム | 104試 12E 守備率.974 RF4.56 | △ |
パリーグは全球団のレギュラーショートが高い守備力を備えており、かなり激しい争いとなりそうです。
そんな中で源田、紅林、今宮が特に固い守備を見せましたが、本記事では源田と予想。
源田は全試合出場で守備率トップという堅実さが好印象。一方で、レンジファクターが競合の中で最低なのはマイナスポイントではあります。
実は指標的に一番バランスが取れているのは紅林で、守備範囲はパリーグトップクラスの数値を叩き出し、エラーも6つだけと安定していました。
しかしながら、ゴールデングラブ賞はあくまで投票で決まるので、源田と今宮というベテランの名手たちが好成績を残した以上は厳しい印象です。
【2024年ゴールデングラブ】外野手の候補選手比較
2024年のゴールデングラブ賞外野手部門の候補者を比較していきます。
セ・リーグの候補選手比較
選手名 | 所属球団 | ポジション | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|---|
近本光司 | 阪神 | 中堅 | 141試 6A 4E 守備率.987 RF2.14 | ◎ |
秋山翔吾 | 広島 | 中堅/左翼 | 中:122試 2A 0E 守備率1.000 RF2.36 左:18試 1A 0E 守備率1.000 RF2.47 | ◎ |
岡林勇希 | 中日 | 中堅/右翼 | 中:91試 3A 0E 守備率1.000 RF2.31 右:36試 3A 0E 守備率1.000 RF1.83 | ◎ |
桑原将志 | DeNA | 中堅/左翼 | 中:96試 1A 2E 守備率.988 RF2.33 左:4試 0A 0E 守備率1.000 RF2.25 | △ |
森下翔太 | 阪神 | 右翼 | 127試 2A 2E 守備率.991 RF1.82 | 〇 |
細川成也 | 中日 | 右翼/左翼 | 右:101試 4A 2E 守備率.987 RF1.82 左:55試 2A 2E 守備率.979 RF2.19 | △ |
- A:補殺
- E:エラー
- RF:レンジファクター(守備範囲の広さを表す)
今季の外野のゴールデングラブ賞は近本、秋山、岡林と予想。
近本は若干エラーが多いものの、規定イニング以上のセンターでは最多となる6補殺が光り、ほとんど休まず試合に出場しているのも評価としては高いと言えます。
秋山はベテランながらほとんどの試合でセンターを守り、レフトでもエラーなしでさすがの守備力でした。
岡林はセンターとライトでエラーなし、2ポジションで6補殺と強肩も健在でした。
パ・リーグの候補選手比較
選手名 | 所属球団 | ポジション | 2024年成績 | 受賞可能性 |
---|---|---|---|---|
辰己涼介 | 楽天 | 中堅 | 143試 5A 2E 守備率.995 RF2.85 | ◎ |
松本剛 | 日本ハム | 中堅/左翼 | 中:116試 2A 3E 守備率.990 RF2.68 左:7試 1A 0E 守備率1.000 RF4.02 | 〇 |
周東佑京 | ソフトバンク | 中堅 | 121試 8A 1E 守備率.996 RF2.53 | ◎ |
西川愛也 | 西武 | 中堅/左翼 | 中:100試 2A 0E 守備率1.000 RF2.57 左:1試 0A 0E 守備率- RF0.00 | 〇 |
万波中正 | 日本ハム | 右翼/左翼/中堅 | 右:133試 11A 6E 守備率.977 RF1.95 左:3試 0A 0E 守備率- RF0.00 中:2試 0A 0E 守備率- RF0.00 | ◎ |
小郷裕哉 | 楽天 | 右翼 | 143試 6A 3E 守備率.991 RF2.27 | 〇 |
圧倒的な守備範囲を見せた辰己は受賞確実。
レギュラーとして優勝に貢献し、8補殺を記録した周東もほぼ確実。
もう1人の選出が非常に難しく、投票者の好みによりそうです。
本記事では今年もとんでもない強肩を披露した万波と予想しますが、松本、小郷も良い指標を残しました。
今年は出場試合数の関係で可能性が低いかもしれませんが、守備範囲が広く、唯一守備率10割を記録した西武の西川もダークホースとしてあり得そうです。
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