2024年から導入されることが決定した先発特例制度。
先発登板した後に登録抹消されると抹消期間分の一軍登録日数が加算されず、FA権取得が遅れるというデメリットを解消する制度です。
この記事では、先発特例制度の概要や導入の発端となった投げ抹消について詳しく解説していきます。
導入の発端となった「投げ抹消」とは?
先発特例の導入が検討されるきっかけとなったのが「投げ抹消」。
投げ抹消とは、先発投手が登板後の翌日に登録抹消されることを指します。
「投げ抹消」のメリット
投げ抹消は、チームによっては効果的な投手運用に一役買っています。
例えば、下記のようなメリットが挙げられます。
- ベテランで、中6日では疲労回復が追いつかない投手のコンディション維持
- まだ体ができていない若手投手の故障回避
- 質の良い先発投手がたくさんおり、たくさんの投手にチャンスを与えられる
- 外国人枠を有効活用できる
チーム側からすると投手運用が楽になり、投手本人からしてもフレッシュな状態で投げて良いパフォーマンスを発揮しやすくなるのがメリットです。
例えば、ヤクルトの石川投手は大ベテランで投げ抹消のメリットを享受する投手の一人です。
「投げ抹消」のデメリット
一方で、先発投手の一軍登録日数が著しく減ってしまうことから、下記のようなデメリットが発生します。
- FA権取得が大幅に遅れる可能性
- 一軍最低保証年俸に到達していない投手の場合、差額分の支払いが減る
- 抹消により登板回数が減るので年俸が上がりにくい
特に全員に関係する事項として、選手の権利であるFA権取得が大幅に遅れるのが最大のデメリットとして捉えられており、今回の先発特例導入に繋がっています。
先発特例とは?いつから導入される?
先発特例とは、先発投手が登板後に登録抹消(投げ抹消)されても、一定条件を満たせば登録日数が加算される制度のこと。
先発特例の内容
先発特例の内容は、現状は下記のように発表されています。
先発特例はいつから導入される?
先発特例は、2024年から導入される見通しとなっています。
あとは適用範囲の問題となりますが、2023年シーズンからの適用が考えられており、それ以前にさかのぼるのは難しいとのこと。
1年間フルで投げ抹消で起用された場合の一軍登録日数はどうなる?
最後に、1年間フルで投げ抹消で起用された場合、先発特例の導入前後での登録日数の違いを比較していきます。
先発特例導入前の一軍登録日数は?
1年間フルで投げ抹消で起用された場合、一番短い間隔で中10日ローテ。
シーズン約6ヶ月の間を中10日ローテで回るとすると、年間18登板となります。
その全18登板後すぐに登録抹消すると、年間の一軍登録日数はたった18日にとどまります。
CS期間中は登録日数に含まれるため、CSに出場するチームに所属していれば+10日前後は見込めます。
先発特例導入後の一軍登録日数は?
上記と同様の年間18登板をベースに、「登録抹消後14日以内に再登録されて登板すれば、7日分の登録日数が加算される」という先発特例を適用した場合を考えていきます。
年間18登板であっても7日分の登録日数が加算されるとすれば、なんと一軍登録日数が144日に達します。
FA権獲得のための1年間の必要一軍登録日数は145日であるため、登録抹消のデメリットをほぼ解消していると言えます。
先発特例とは?2024年から導入される投げ抹消投手の救済案を解説!【まとめ】
この記事では、先発特例制度の概要や導入の発端となった投げ抹消について詳しく解説しました。
投げ抹消とは先発投手が登板後の翌日に登録抹消されることを指し、一軍登録日数が大幅に減少するデメリットを抱えていました。
先発特例はそのデメリットを解消すべく導入される制度のことで、導入後は投げ抹消でもFA権取得が遅れることはほぼ無くなる見込みです。