メジャーリーグでプレイする誰もが憧れるMLB殿堂入り。
2025年にはイチロー氏がMLB殿堂入りの投票資格を得るため、MLB殿堂入りするための条件は何?と気になる方が多いようです。
そこでこの記事では、MLB殿堂入りの条件、過去の受賞者に日本人がいるのか、イチロー氏や大谷選手に殿堂入りの可能性があるかについて紹介していきます。
MLB殿堂入りの条件①全米野球記者協会の選出
MLB殿堂入りには2種類の方法があり、ここでは1つ目の「全米野球記者協会の選出」による殿堂入りについて解説します。
全米野球記者協会とは?
全米野球記者協会とは、野球記者(紙媒体・オンライン問わず)で構成された団体のこと。
その歴史は古く、1908年に設立されています。
英語では「BBWAA(The Baseball Writers’ Association of America)」と表記。
全米野球記者協会選出の対象者は?
全米野球記者協会選出の場合の対象者は下記の通り。
- MLBで10年以上プレイ
- 現役引退後、5年以上15年以内
- 野球界の不適格リストに入っていない
上記に加えて、前年から繰り越しも可能。
- 前回の投票で、投票総数の5%以上を獲得
不適格リストとは、プレイ期間や実績は立派でも明らかに悪いことをやっている選手を除外するリストのことです。
ステロイドなどの薬物使用者については不適格とはみなされていませんが、その後に行われる投票において、投票者の心象が悪すぎて票を集められないということが発生しています。
事実、薬物使用疑惑のあったマグワイア氏、ソーサ氏は記者から不人気でした。
全米野球記者協会の審議により候補者にノミネート
現役引退後に初めて殿堂入り資格を得た選手は、殿堂入りの候補者になるにふさわしいかどうか、全米野球記者協会によって審議されます。
候補者審議の際は、MLBでの通算成績が重視されると言われています。
毎年の候補者は25~40名に絞られるため、殿堂入り候補にノミネートされるだけでも大変名誉なこととなります。
候補者は更に記者投票にかけられる
候補者は、更に記者投票にかけられます。
投票方法は、殿堂入りにふさわしい10名の選手の名前を記名する方式で、誰が誰に投票したかは公開されます。
この投票のもと、殿堂入りできる条件は
得票率75%以上の選手
です。
得票率75%を下回った場合でも、得票率5%以上あれば次回の投票に候補者入り(初回含めて最大10回まで)することができます。
10回以内に75%の得票を獲得できなかった場合や、得票率が5%を下回ってしまった場合は、全米野球記者協会投票の候補者から除外されます。
この場合、一定期間を置いた後、次項で説明するベテランズ委員会での選出に回されることになります。
MLB殿堂入りの条件②ベテランズ委員会の選出
全米野球記者協会での殿堂入り選出に漏れたとしても、まだベテランズ委員会で殿堂入り選手に選出される可能性が残されています。
ベテランズ委員会とは?
ベテランズ委員会とは、殿堂入り選手や監督、報道関係者などから構成される、全米野球記者協会での殿堂入り選出に漏れた選手の殿堂入り審査を行う団体のことです。
ベテランズ委員会のMLB殿堂入り審査対象は?
ベテランズ委員会の審査対象は、全米野球記者協会での殿堂入り選出に漏れた選手にとどまりません。
- 選手
- 監督
- 審判員
- オーナー、GM、選手会代表者などの発展貢献者
ベテランズ委員会のMLB殿堂入り選考方法は?
現在の選考方法は、上記の選手・監督・審判員・発展貢献者を4つの時代に分類し、毎年各時代ごとに投票を行う形になっています。
- Early Baseball(初期):1871年~1949年
- Golden Days(黄金期):1950年~1969年
- Modern Baseball(近代):1970年~1987年
- Today’s Game(今日):1988年~
時代で区切るため「時代選考」とも言われます。
殿堂入りの基準は、全米野球記者協会と同じ「得票率75%以上」です。
2023年の選出対象は「Today’s Game」となっており、フレッド・マグリフ氏が選出されました。
2024年は「Modern Baseball」の選出が予定されています。
MLB殿堂入りに特典はある?
MLB殿堂入りするともらえるものとしては
- 年間2万ドルの賞金
- 家族への終身医療保険
- 一生涯MLBの試合観戦ができるパス
があります。
ですが、殿堂入りするような選手はMLBの年金受給資格を満たしていますし、かなりの額の年俸ももらっているので、これらの特典はあってないようなものと言っていいでしょう。
実際、MLB年金は年間23万ドルとも言われ、殿堂入りの賞金よりもはるかに価値が高いものです。
それよりもやはりMLB殿堂入りで得られる名誉の方が、何よりも選手にとってもうれしいものであることに間違いないでしょう。
MLB殿堂入りの過去の受賞者に日本人はいる?
過去、MLB殿堂入りを果たした日本人はいません。
まずMLB殿堂入りの最初の条件である10年以上プレイした選手が、
- 野茂英雄氏
- 大家友和氏
- イチロー氏
- 松井秀喜氏
- ダルビッシュ有投手(現役)
の5人のみ。
この中で過去にMLB殿堂入りの候補者になったのが、野茂英雄氏と松井秀喜氏の2人。
- 野茂英雄氏:2014年の投票で6票(得票率1.1%)にとどまり、候補者から除外。
- 松井秀喜氏:2018年の投票で4票(得票率0.9%)にとどまり、候補者から除外。
このように両者とも得票率が5%未満という結果に終わり、初年度で資格喪失となりました。
イチローや大谷にMLB殿堂入りの可能性はある?
イチロー氏は2025年に初めてMLB殿堂入り資格を得ます。
そして、イチロー氏のMLB殿堂入りはほぼ確実とされていて、しかも初年度から殿堂入りするとも言われています。
それだけイチロー氏の残した功績が素晴らしいということですね。
- MLB通算打率.311
- MLB通算安打数3089本
- シーズンMVP:1回 ※アジア人初
- ゴールドグラブ賞:10回
- MLBシーズン最多安打記録(262)保持者:2004年
通算安打数3089本で、現時点でたった33名しかいない「3,000 Hit Club」の一員。
「3,000 Hit Club」になると、野球殿堂入りはほぼ間違いないと言われていて、実際に有資格選手は100%殿堂入りを果たしています。
アジア人として初のMVP受賞歴がある点やゴールドグラブ賞10回の獲得、シーズン安打記録を持っていることは、投票者の心象をかなり良くすると考えられます。
大谷翔平選手のMLB殿堂入りに関しては、検討するには早急すぎる話ではあります。
ただ、近代野球において二刀流で活躍した史上初の選手であり、MVP受賞者であることは投票者に良い印象を与えます。
今後、二刀流で通算100勝&打者として2,000本安打や300本塁打でも達成しようものなら、殿堂入りはほぼ手中に収めたと言っていいのではないでしょうか。
MLB殿堂入りの条件を解説!日本人はいる?イチローや大谷の可能性は?【まとめ】
この記事では、MLB殿堂入りの条件、過去の受賞者に日本人がいるのか、イチロー氏や大谷選手に殿堂入りの可能性があるかについて紹介してきました。
MLB殿堂入りには全米野球記者協会による選出と、ベテランズ委員会による選出の2回チャンスがあります。
過去に日本人はMLB殿堂入りの候補者になったことはあるものの、まだ選出されたことはありません。
2025年に有資格者となるイチロー氏のMLB殿堂入りは確実視されていて、どうなるか注目が必要です!