MLBや高校野球、国際大会などで導入されているタイブレーク。
延長に入ってランナー有りの状態で始まるものの、そのランナーが得点した場合の自責点の扱いなど、細かいルールが気になるところ。
そこでこの記事では、タイブレークとは何か、ルールや自責点の扱いについて解説していきます。
【野球】タイブレークとは?いつから始まった?
タイブレークとは日程消化や試合時間の短縮を目的として、あらかじめランナーがいる状況でイニングを開始する制度のこと。
タイブレークが採用されているリーグ・大会は?
タイブレーク制が採用されている主なリーグや大会は下記の通りです。
- WBSC関連大会(オリンピック、プレミア12、ワールドカップ)
- WBC
- アジアプロ野球チャンピオンシップ
- MLB(メジャーリーグ)
- MiLB(米マイナーリーグ)
- アマチュア野球(社会人・大学・高校)
特に露出度の高いMLB、WBC、高校野球で見る機会が多いと思います。
タイブレークはいつから始まった?
主なリーグ・大会におけるタイブレーク開始時期は下記の通り。
リーグ・大会名 | 開始時期 |
---|---|
WBSC関連大会 | 2008年北京オリンピック~ |
WBC | 2009年~ |
MLB(メジャーリーグ) | 2020年から特別導入。2023年から恒久的な導入が決定。 |
高校野球 | 2018年春季選抜~ |
【野球】タイブレークのルールを解説!
タイブレークは様々なリーグや大会で採用されており、ルールが微妙に異なります。
露出度の高いMLB、WBC、高校野球の3つを比較しながら解説します。
ルール①開始イニングは10回~で統一
タイブレークの開始イニングは10回からでMLB、WBC、高校野球全てで統一されています。
ルール②アウトカウントとランナーの配置
アウトカウントとランナーの初期配置は、MLBとWBCが共通しており、高校野球だけ異なります。
リーグ・大会名 | アウトカウントとランナー配置 |
---|---|
MLB | 無死二塁 |
WBC | 無死二塁 |
高校野球 | 無死一二塁 |
進塁打を打てる分、無死二塁の方が攻めやすそうです。
この場合のランナーは、バッターの前の打順の選手が務めます。
ルール③攻撃開始打順
タイブレークに突入した後の攻撃開始打順は「継続打順」で共通しています。
継続打順とは、9回の攻撃を終えたバッターの次の打順から開始するという意味。
他大会では「任意打順」もあり、この場合希望する打順から開始することができます。
【2023年現在】タイブレーク採用リーグ・大会ごとのルールまとめ
タイブレークを採用しているリーグや大会ごとのルールをまとめました。
リーグ・大会名 | 開始イニング | アウトカウントとランナー | 打順 |
---|---|---|---|
WBSCプレミア12 | 10回~ | 無死一二塁 | 継続打順 |
アジアプロ野球チャンピオンシップ | 10回~ | 無死一二塁 | 継続打順 |
WBC | 10回~ | 無死二塁 | 継続打順 |
MLB | 10回~ | 無死二塁 | 継続打順 |
MiLB(マイナー) | 10回~ | 無死二塁 | 継続打順 |
社会人野球 | 10回~ | 無死一二塁 | 継続打順 |
大学野球 | 10回~ | 無死一二塁 | 継続打順 |
高校野球 | 10回~ | 無死一二塁 | 継続打順 |
【野球】タイブレークの場合の自責点の扱いは?
タイブレークは記録上は出塁していないランナーがいる状態でのスタートとなりますが、そのランナーが還ってきた場合の投打の記録は下記のようになります。
投手 | タイブレークの初期ランナーが帰還しても自責点に含まない |
打者 | タイブレークの初期ランナーが帰還しても打点が記録される |
走者 | タイブレークの初期ランナーの場合であっても、盗塁や得点が記録される |
つまり、タイブレークの初期ランナーの記録上の扱いに関して、投手の場合はカウントされず、野手の場合はカウントされるということになります。
【野球】タイブレークは後攻有利?
タイブレークは後攻チームの方が有利と言えます。
【タイブレーク】後攻が有利な理由
後攻が有利な理由は、シンプルにサヨナラ勝ちがあるからです。
タイブレークは点が入るのが前提であるため、特に先攻チームが無得点に終わった場合、後攻チームに流れが傾くことは間違いありません。
先攻チームは1点でも多く取って裏を抑えるしかないわけですが、裏を抑えるピッチャーのプレッシャーたるや凄まじいものであると容易に想像できます。