野球において、最も頻繁に聞くであろう用語「打率」。
打率は一番基本的な指標で、打率から発展した様々な指標もあるため、知っていると更に野球を楽しめること間違いなしです。
そこでこの記事では、野球の打率の意味や計算方法をわかりやすく解説し、平均打率や最高打率について紹介していきます。
【野球】打率とは?計算方法や表記、読み方を解説!
打率とは、簡単に言うとバッターがヒットを打つ確率です。
打率は高ければ高いほど良いバッターです。
打率の計算方法は?
打率 = 安打数 / 打数
打率は安打数を打数で割ることで求められます。
安打には、シングルヒット・ツーベースヒット・スリーベースヒット・ホームランが含まれます。
打数は、立った打席数の内、ヒットを打つもしくは凡退した数を意味します。
打数は「打席数」とは異なるため注意が必要です。
打率の表記や読み方は?
例えば、9打数3安打の場合、打率の計算式に当てはめて計算すると「3÷9=0.333」となります。
野球の打率では、この場合0.333とは表記せず、0を取って『.333』と表記します。
読み方は「3わり3ぶ3りん」です。
例外として、最後が0になると、その0は表記はされるものの読みません。
例えば、4打数1安打で「.250」の場合、「2わり5ぶ」と読みます。
また、11打数1安打で打率「.091」の場合も特殊で、0割の0は表記はされるものの読みません。
この場合は「9ぶ1りん」と読みます。
ちなみに「厘」の位まで同じ値だった場合は、「毛(もう)」まで計算します。
例えば、「吉田正尚選手が打率を.3179に上げ、首位打者のビシェット選手の.3184に5毛差まで迫った」などと表現されます。
この場合、.3179は「3わり1ぶ7りん9もう」と読みます。
【野球】優秀な選手の打率の目安はどれくらい?
現在のプロ野球では打率3割で優秀とされています。
ただし、これは打者の役割によっても多少異なってきます。
例えば、打率を捨ててでも長打を求められているようなホームランバッターであれば、.270以上あれば優秀です。
基本的には打率とホームランは相反するものです。
だからこそ、ホームランをたくさん打ちながら打率3割以上打てる選手は超一流とされていて、三冠王がすごいと称賛される理由はこれです。
【野球】打率の考え方、見方は?
現在の打率とその日の打撃成績の比較によって、その選手の打率が上がるか下がるかが分かります。
- 現在の打率>その日の打率:打率が下がる
- 現在の打率<その日の打率:打率が上がる
例えば、仮に現在100打数38安打の打率.380で、打率4割を目指している選手がいたとします。
この打率.380の選手の成績が3打数1安打(打率.333)の場合、103打数39安打の打率.379となり、打率が下がります。
一方で5打数2安打(打率.400)だと、105打数40安打で打率.381となり、打率が上がります。
つまり現在の打率とその日の打撃成績との比較です。
こういった打率の見方をする時は、下記のケースの打率はよく使うため、あらかじめ頭に入れておくと便利です。
- 3打数1安打:打率.333
- 4打数1安打:打率.250
- 5打数2安打:打率.400
日々打率を追っていると、「〇打数〇安打の時の打率はこれ」と記憶してしまうのはあるあるです。
【日本プロ野球】年度別平均打率一覧
2011年以降のプロ野球における年度別平均打率一覧表です。
年度 | セ・リーグ | パ・リーグ |
---|---|---|
2011 | .242 | .251 |
2012 | .244 | .252 |
2013 | .254 | .262 |
2014 | .264 | .257 |
2015 | .249 | .256 |
2016 | .253 | .259 |
2017 | .251 | .250 |
2018 | .259 | .254 |
2019 | .253 | .252 |
2020 | .254 | .246 |
2021 | .251 | .241 |
2022 | .248 | .240 |
2011年以降の平均打率は.240から.264の間で推移しています。
【日本プロ野球】年度別最高打率一覧
2011年以降のプロ野球における年度別最高打率(首位打者)の一覧表です。
年度 | セ・首位打者 | セ・最高打率 | パ・首位打者 | パ・最高打率 |
---|---|---|---|---|
2011 | 長野久義(巨) | .316 | 内川聖一(ソ) | .338 |
2012 | 阿部慎之助(巨) | .340 | 角中勝也(ロ) | .312 |
2013 | T.ブランコ(D) | .333 | 長谷川勇也(ソ) | .341 |
2014 | M.マートン(神) | .338 | 糸井嘉男(オ) | .331 |
2015 | 川端慎吾(ヤ) | .336 | 柳田悠岐(ソ) | .363 |
2016 | 坂本勇人(巨) | .344 | 角中勝也(ロ) | .339 |
2017 | 宮﨑敏郎(D) | .323 | 秋山翔吾(西) | .322 |
2018 | D.ビシエド(中) | .348 | 柳田悠岐(ソ) | .352 |
2019 | 鈴木誠也(広) | .335 | 森友哉(西) | .329 |
2020 | 佐野恵太(D) | .328 | 吉田正尚(オ) | .350 |
2021 | 鈴木誠也(広) | .317 | 吉田正尚(オ) | .339 |
2022 | 村上宗隆(ヤ) | .318 | 松本剛(日) | .347 |
2011年以降の首位打者の打率は.312から.363の間で推移しています。
首位打者を獲得するには、良い打者と言われる打率3割をさらに超えて.330前後は打つ必要があります。
【メジャー】年度別平均打率一覧
2011年以降のメジャーリーグにおける年度別平均打率一覧表です。
年度 | ア・リーグ | ナ・リーグ |
---|---|---|
2011 | .258 | .253 |
2012 | .255 | .254 |
2013 | .256 | .251 |
2014 | .253 | .249 |
2015 | .256 | .253 |
2016 | .257 | .254 |
2017 | .256 | .254 |
2018 | .249 | .247 |
2019 | .253 | .251 |
2020 | .243 | .247 |
2021 | .245 | .242 |
2022 | .242 | .243 |
2011年以降の平均打率は.242から.258の間で推移しています。
近年は.240台が続いています。
【メジャー】年度別最高打率一覧
2011年以降のメジャーリーグにおける年度別最高打率(首位打者)の一覧表です。
年度 | ア・首位打者 | チーム | ア・最高打率 | ナ・首位打者 | チーム | ナ・最高打率 |
---|---|---|---|---|---|---|
2011 | ミゲル・カブレラ | DET | .344 | ホセ・レイエス | NYM | .337 |
2012 | ミゲル・カブレラ | DET | .330 | バスター・ポージー | SFG | .336 |
2013 | ミゲル・カブレラ | DET | .348 | マイケル・カダイアー | COL | .331 |
2014 | ホセ・アルトゥーベ | HOU | .341 | ジャスティン・モルノー | COL | .319 |
2015 | ミゲル・カブレラ | DET | .338 | ディー・ゴードン | MIA | .333 |
2016 | ホセ・アルトゥーベ | HOU | .338 | D.J.ルメイユ | COL | .348 |
2017 | ホセ・アルトゥーベ | HOU | .346 | チャーリー・ブラックモン | COL | .330 |
2018 | ムーキー・ベッツ | BOS | .346 | クリスチャン・イエリッチ | MIL | .326 |
2019 | ティム・アンダーソン | CHW | .335 | クリスチャン・イエリッチ | MIL | .329 |
2020 | DJ・ルメイユ | NYY | .364 | フアン・ソト | WSH | .351 |
2021 | ユリ・グリエル | HOU | .317 | トレイ・ターナー | LAD | .328 |
2022 | ルイス・アラエス | MIN | .315 | ジェフ・マクニール | NYM | .326 |
2011年以降の首位打者の打率は.315から.348の間で推移しています。
ちなみに日本人でMLBの首位打者を獲得したのはイチロー氏のみ。
2001年に.350、2004年に.372という近年にはない圧倒的な高打率で2度受賞しました。
本当に天才バッターでした。
【野球】打率とは?計算方法や読み方を解説!平均や最高はどれくらい?【まとめ】
この記事では、野球の打率の意味や計算方法をわかりやすく解説し、平均打率や最高打率について紹介しました。
打率とは、簡単に言うとバッターがヒットを打つ確率です。
打率は安打数を打数で割ることで求められ、「〇割〇分〇厘」と読みます。