主に高校野球やプロでも特定の条件下で採用されている「コールドゲーム」。
この記事では野球におけるコールドの意味や条件、存在意義、プロ野球の雨天コールドの条件について紹介していきます。
【野球】コールドとは?意味を解説!
コールドとは、諸事情によって審判が試合終了を命じた試合のことを指します。
コールドゲームは英語でCalled Game
コールドゲームは響き的に「Cold Game(凍結試合)」と思われがちですが、英語表記で正しいのは「Called Game」です。
Called Gameは直訳すると「(審判によって試合終了を)宣言された試合」という意味になります。
コールドが宣言される「諸事情」とは何?
コールドが宣言される諸事情には、主に下記のものがあります。
- 大量の点差が開いた場合
- 天候悪化(雨天など)
- 天災(東日本大震災など)
- 他にも日没、制限時間オーバーなどがある
【野球】コールドの条件は何点差?
高校野球を中心にアマチュア野球において大量点差が開いた時にコールドゲームが適用されます。
他にも国際大会の予選リーグにコールドゲームの設定が存在しています。
高校野球のコールド宣言条件
高校野球においては、都道府県大会の準決勝までは下記のルールでコールドゲームのルールが導入されています。
試合展開 | 必要な点差 |
---|---|
5回終了以降 | 10点差以上 |
7回終了以降 | 7点差以上 |
都道府県大会の決勝と甲子園に関しては、どんなに点差が開いていても9回までプレイすることができます。
2014年夏の石川県大会決勝では、星陵高校が0対8の状況で9回裏に9点を取って逆転勝ちしたケースもありました。
WBCのコールド宣言条件
WBCも予選リーグにのみコールドゲームのルールが適用されます。
試合展開 | 必要な点差 |
---|---|
5回終了以降 | 15点差以上 |
7回終了以降 | 10点差以上 |
WBCはたとえ予選であっても興行のため、条件が厳しめに設定されていますね。
WBSCプレミア12のコールド宣言条件
WBSCプレミア12は、予選リーグにあたるオープニングラウンドにコールドゲームのルールが適用されます。
試合展開 | 必要な点差 |
---|---|
5回終了以降 | 15点差以上 |
7回終了以降 | 10点差以上 |
【プロ野球野球】雨天コールドとは?
点差と並んで著名なコールド条件が「雨天コールド」。
これはたまにプロ野球で発生するため良く知られています。
どれくらいの雨で雨天コールドになる?
まずどれくらいの雨なら打ち切られるのかについてですが、これは完全に審判の判断に一任されています。
基本的には雨が止むのを待って続行しようとします。
ゲリラ豪雨でそもそも危険な雨量だったり、大雨が長く続いている場合はコールドになりやすいです。
一方で、小雨の場合はそのまま続行、通り雨の場合も少しの中断を挟んで再開する場合も多々あります。
雨天コールドが成立する条件は?
雨天コールドが成立する条件は「5回を終了していること」です。
「5回終了」の定義は下記の3つがあります。
- 5回裏を完了している
- 5回表が完了していて、かつ裏攻めのチームの点数が多い
- 5回裏の攻撃途中、裏攻めのチームが同点以上にした
①はそのまま5回裏完了以降に宣言すればコールドが成立します。
②は5回表完了時点で表攻めのチームが負けている場合、9回の攻防と同様に裏攻めの必要がないため成立します。
③は5回裏の途中でも、裏攻めのチームが同点に追いついた後はコールドゲームが成立します。
降雨ノーゲームで記録が消える
もし5回終了していない時に試合終了を宣言されると、それはコールドではなくノーゲームとなります。
「雨天ノーゲーム」や「降雨ノーゲーム」と呼ばれます。
ノーゲームになった試合の出場記録は全て消えてしまいます。
たとえホームランを打とうが、猛打賞を記録しようがなかったことになるので、その試合で絶好調だった選手はガックリです。
実際に2023年6月15日のDeNA対日本ハムの試合では、DeNA・牧選手が3ランホームランを放ちましたが降雨ノーゲームでなかったことに。
牧選手はホームラン1本と3打点を損してしまいました。
【いらない?】なぜコールドゲームは存在する?
「コールドはいらない」とも言われたりしていますが、コールドの存在意義はこのようなものが考えられます。
点差によるコールドの存在意義
アマチュア野球におけるコールドの存在意義は、試合時間の短縮です。
アマチュア野球の都道府県レベルになると、部員を9人集めるのもやっとというチームも存在します。
そんなチームが強豪校と当たると、1アウト取るのでさえ厳しい状況が発生。
試合時間が異様に長くなり、観客は消耗し、選手も消耗するという事態になりかねません。
運営としても試合をどんどんすすめていく必要があり、あまりに戦力差がある場合はスムーズな大会運営のためにもコールドの適用は不可欠です。
一方でプロ野球のリーグ戦は実力差がないことを前提にしていることと、興行を兼ねているため、どんなに点差が開いてもコールドはありません。
天災・雨天によるコールドの存在意義
雨天コールドや天災によるコールドの存在意義は、シンプルに「危険だから」です。
東日本大震災が起きた時、震災には関係ない兵庫で行われていた楽天の試合もコールドになりましたが、その時の理由は「楽天の選手の家族の安否確認のため」でした。
【野球】コールドとは?点差の条件は何点?なぜコールドは存在する?【まとめ】
この記事では、野球におけるコールドの意味や条件、存在意義について紹介しました。
コールドとは、諸事情によって審判が試合終了を命じた試合のことを指します。
コールドの条件は一定の点差が開いた場合や雨天、天災の場合です。
コールドはスムーズな大会運営、選手や観客の安全確保のために存在しています。