セ・リーグ最後の20勝投手、井川慶氏。
当時の日本球界最高左腕の看板を引っ提げて挑戦したメジャーでは活躍できず、通用しなかった理由が気になるところです。
この記事では、井川慶氏の現役時代の年俸推移と年度別成績、メジャー挑戦に失敗した理由や現在の仕事内容について紹介していきます。
井川慶の現役時代の年俸推移と年度別成績【阪神/メジャー/オリックス】
井川慶氏の現役時代の年俸推移と年度別成績がこちら。
年度(満年齢) | チーム | 年俸(日本円) | 成績 | 追記事項 |
---|---|---|---|---|
1998(19歳) | 阪神 | 600万円 | 一軍登板なし | 契約金8000万円 |
1999(20歳) | 阪神 | 600万円 | 7試 1勝1敗 15.1回 14三 防6.46 | – |
2000(21歳) | 阪神 | 680万円 | 9試 1勝3敗 39.1回 37三 防4.35 | – |
2001(22歳) | 阪神 | 900万円 | 29試 9勝13敗 192回 171三 防2.67 | – |
2002(23歳) | 阪神 | 3800万円 | 31試 14勝9敗1S 209.2回 206三 防2.49 | – |
2003(24歳) | 阪神 | 1億円 | 29試 20勝5敗 206回 179三 防2.80 | – |
2004(25歳) | 阪神 | 2億1000万円 | 29試 14勝11敗 200.1回 228三 防3.73 | – |
2005(26歳) | 阪神 | 2億2000万円 | 27試 13勝9敗 172.1回 145三 防3.86 | – |
2006(27歳) | 阪神 | 2億3000万円 | 29試 14勝9敗 209回 194三 防2.97 | オフにポスティング |
2007(28歳) | NYY | 4億8000万円 | 14試 2勝3敗 67.2回 53三 防6.25 | 5年契約1年目 |
2008(29歳) | NYY | 4億8000万円 | 2試 0勝1敗 4回 0三 防13.50 | 5年契約2年目 |
2009(30歳) | NYY | 4億8000万円 | メジャー登板なし | 5年契約3年目 |
2010(31歳) | NYY | 4億8000万円 | メジャー登板なし | 5年契約4年目 |
2011(32歳) | NYY | 4億8000万円 | メジャー登板なし | 5年契約5年目 |
2012(33歳) | オリックス | 1億円 | 12試 2勝7敗 62回 36三 防4.65 | 2年契約1年目 |
2013(34歳) | オリックス | 1億円 | 9試 3勝3敗 48.2回 41三 防2.59 | 2年契約2年目 |
2014(35歳) | オリックス | 6000万円 | 8試 2勝2敗 33回 28三 防3.82 | – |
2015(36歳) | オリックス | 4800万円 | 一軍登板なし | – |
- NYY:ニューヨーク・ヤンキース
セ・リーグ最後の20勝投手
1997年ドラフト2位で阪神タイガースに入団した井川慶氏。
2000年代前半の阪神のエースとして活躍し、2003年に20勝を記録。
セ・リーグにおける最後の20勝投手になっています。
かれこれ20年、セ・リーグでは20勝投手が出ていないことになります。
- 最多勝利:1回(2003年)
- 最優秀防御率:1回(2003年)
- 最多奪三振:3回(2002年、2004年、2006年)
- 最高勝率 :1回(2003年)
- 沢村栄治賞:1回(2003年)
- 最優秀選手:1回(2003年)
- ベストナイン:1回(投手部門:2003年)
日本球界を代表するピッチャーとして、満を持して挑戦したメジャーの舞台では活躍することができず。
実力不足の面もあったとはいえ、ヤンキースによる飼い殺し的な一面もあり、井川氏にとって不運な経験となりました。(詳細後述)
2015年にオリックスを退団以降は現役引退宣言こそしてはいないものの、ほぼ引退に近い状態です。
自身最高年俸はヤンキース時代の4億8000万円でした。
井川慶はなぜメジャー挑戦に失敗した?
2006年オフにポスティング申請し、日本人歴代3位の譲渡金額となる2600万194ドル(当時のレートで約30億円)でヤンキースに移籍した井川慶氏。
譲渡金額からも分かるように、非常に高い期待を背負ってのヤンキース入団となりましたが、残念ながらメジャーでは活躍できずに終わりました。
ここでは井川氏がメジャーで活躍できなかった理由について紹介します。
井川慶がメジャー挑戦に失敗した理由①球速が遅かった
井川氏の話によると、球速が150キロ以上が当たり前のメジャーリーグでは「球が遅いならツーシームなどで動かせ」と言われたそう。
ただ当時は150キロ超の球速もなく、ツーシームを投げる技術もなかったとされており、マイナー行きを言い渡されました。
井川慶がメジャー挑戦に失敗した理由②サイドスロー転向を拒否
ヤンキースでは「投げ方が悪い」という指摘を受け、挙句の果てにはメジャー残留のためのサイドスロー転向を指示されました。
この指示をやんわり拒否したことで、「横手投げでないとメジャーにはあげない」とマイナー生活を余儀なくされました。
井川慶がメジャー挑戦に失敗した理由③ヤンキースによる飼い殺し
ヤンキースのキャッシュマンGMから「井川獲得は失敗」とコメントされるなど、メジャーでは失敗というレッテルを貼られたものの、マイナーでは活躍を見せていた井川氏。
年度(満年齢) | レベル | マイナー成績 |
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2007(28歳) | A+, 3A | 13試 6勝5敗 防3.49 |
2008(29歳) | 3A | 26試 14勝6敗 防3.45 |
2009(30歳) | 3A | 26試 10勝8敗 防4.15 |
2010(31歳) | 3A | 22試 3勝4敗 防4.32 |
2011(32歳) | 2A, 3A | 20試 3勝2敗 防3.86 |
途中でサンディエゴ・パドレスとのトレード話もありましたが、これも破談。
その後は完全に飼い殺しの態勢に入り、契約最終年の2011年には3Aより更に環境が悪い2Aでのプレイがメインに。
井川氏のヤンキース時代のリアルは、上原浩治氏との対談で本人の口から語られています。
井川慶の現役時代の生涯年俸は?
井川慶氏の現役時代の生涯年俸は36億1380万円です。
項目 | 年俸額 |
---|---|
ドラフト契約金 | 8000万円 |
NPBの年俸総額 | 11億3380万円 |
MLBの年俸総額 | 24億円 |
生涯年俸 | 36億1380万円 |
井川慶は現在何してる?
井川慶氏は引退宣言をしておらず、現在もフリーエージェントの状態です。
NPB最後の所属球団となったオリックス退団後は、独立リーグでのプレイや野球解説者・評論家として活動しています。
- 兵庫ブルーサンダーズの選手:2016年~2017年
- 野球解説者(毎日放送、GAORA)
- 野球評論家(デイリースポーツ)
現役選手としては兵庫ブルーサンダースを退団した2017年以降は休業状態で、現在は野球解説者や評論家としての活動がメインになっています。
また、ユニークな語り口で語られる話が面白いと話題で、様々な野球関連のYouTubeにもゲスト出演を果たしています。