2024年、圧倒的首位でシーズンを終えたソフトバンクホークス。
熱狂的なファンが多い一方で、嫌いという声も一定数ある、賛否ある球団でもあります。
この記事では、そんなソフトバンクホークスが嫌われる理由について5つまとめていきます。
福岡移転後のホークスの歴史を振り返る
そもそもホークスの歴史を振り返ると、1989年に福岡へ移転。
1999年に福岡移転後初の優勝を果たすまでは、むしろ弱小球団という位置づけでした。
以降、「柴原、川崎、井口、小久保、松中、城島、村松」に加えて、助っ人外国人の「バルデス、ズレータ」で構成される超強力打線と、先発4本柱(斉藤、和田、新垣、杉内)で、王監督のもと常勝軍団を構築しました。
2005年からはソフトバンクが親会社に変わり、資金力が球界随一の規模に。
さらに王監督勇退後も、秋山監督、工藤監督と名監督が率いることで、ますます強さが増していきました。
理由①強すぎるから嫌われる
嫌われる理由1つ目は、ソフトバンクホークスが強すぎることが原因と考えられます。
昔から「アンチ巨人」という概念があります。
巨人はV9を達成するなど「強すぎた」ことで、強すぎると面白くないから嫌いとなるのは人の常のよう。
そうなると、特にライバルとなる同リーグの他球団ファンからすると「ソフトバンクは嫌い」となるのは当然の流れなのかもしれません。
理由②資金力が豊富すぎるから嫌われる
嫌われる理由2つ目は、資金力が豊富過ぎるのが原因と考えられます。
親会社が日本でもトップクラスの時価総額を誇るソフトバンクであり、確かに資金力の面で申し分ないのは事実のようです。
しかしながら、親会社のソフトバンクから湯水のようにお金が流れてきている…というわけではありません。
実は、「福岡ソフトバンクホークス」はスポーツビジネスの観点から非常に優秀なチームと言われており、アジアのスポーツチームの中で最高の売上額を誇るとメディアでも言及されています。
コロナ前の2020年2月期決算での売上高は、324億9300万円。この金額は、日本どころかアジアのスポーツビジネス史上で最高の数値であり、ソフトバンクは“アジア最強のスポーツチーム”なのです。
ITMediaビジネスより引用
この金額はサッカー・セリエAのASローマやナポリよりも売り上げ規模が大きいとも言われています。
前述の巨人と同様に、お金を持っているチームは嫌われがちではありますが、球団経営の一環で利益を得て、そのお金を使って強くなっている分には嫌われる理由はないのかもしれません。
理由③FAで有力選手を獲得するから嫌われる
嫌われる理由3つ目は、FAで有力選手を獲得するのが原因と考えられます。
FAに関しては、日本では時に「強奪」と揶揄されることもあり、それが影響しているようです。
これまでのホークスのFA獲得選手を見ていきます。
- 1994年:松永浩美(阪神から)
- 1995年:工藤公康(西武から)
- 1995年:石毛宏典(西武から)
- 1996年:田村藤夫(ロッテから)
- 1997年:山崎慎太郎(近鉄から)
- 2004年:大村直之(近鉄から)
- 2006年:小久保裕紀(巨人)
- 2010年:細川亨(西武から)
- 2010年:内川聖一(横浜から)
- 2011年:帆足和幸(西武から)
- 2012年:寺原隼人(オリックスから)
- 2013年:中田賢一(中日から)
- 2013年:鶴岡慎也(日本ハムから)
- 2021年:又吉克樹(中日から)
- 2022年:嶺井博希(DeNAから)
- 2022年:近藤健介(日本ハムから)
- 2023年:山川穂高(西武から)
ここ数年のFA獲得は、確かに日本を代表する選手(近藤選手と山川選手)を同リーグのチームから引き抜く形となっています。
また、国内FAではないのでここには載っていませんが、2023年シーズン前にメジャーリーグから元日本ハムの有原航平投手も獲得しています。
特に山川選手はFA年にスキャンダルがあったため、獲得の際にかなり議論が巻き起こりました。
そんなことから、ホークスのFA戦略に関して疑問符を持つ人も少なからずいるようです。
理由④4軍制度で選手を飼い殺しにするから嫌われる
嫌われる理由4つ目は、4軍制度で選手を飼い殺しにするのが原因と考えられます。
ソフトバンクホークスには1軍から4軍まであり、支配下登録選手から育成選手まで数多くの選手を抱えています。
1軍の枠が限られている中で、ソフトバンクはFA補強でレギュラーが埋まっていくので、支配下選手であっても1軍で活躍するのは非常に困難です。
育成選手はさらに過酷で、育成選手だけでも相当な数がいる中で、支配下に上がれるのは毎年数人に限られます。
「この中には飼い殺しになっている選手もたくさんいるのでは?」というのが、ソフトバンクが嫌われる理由のようです。
さらにこの風潮を加速させているのが、他球団で才能を開花させている元ソフトバンクの選手たち。
- 水谷瞬(現日本ハム)
- 田中正義(現日本ハム)
- 大竹耕太郎(現阪神)
- 加治屋蓮(現阪神)
- 小澤怜史(現ヤクルト)
など
これを見ると、もしそのままソフトバンクにいたら活躍せずに引退した選手もいるかもしれないとも言えますが、一方でソフトバンクは、他球団で活躍できそうな選手を毎年現役ドラフトなどで親心で出してあげているのも事実。
そしてソフトバンク出身の選手が移籍先の球団で大活躍しているのも事実。
飼い殺しにされる選手がいるのも事実かもしれませんが、一方で他球団に自前で育てたレベルの高い選手を現役ドラフトなどで供給している側面もあり、ソフトバンクはむしろ球界のレベルの底上げに貢献していると言えるかもしれません。
理由⑤メジャー移籍を容認しないから嫌われる
嫌われる理由5つ目は、メジャー移籍を容認しないのが原因と考えられます。
ソフトバンクホークスは、12球団で唯一ポスティング利用でのメジャー移籍が0人の球団です。
これまでホークスでは、何人かのメジャー級の選手がポスティング希望を出してきました。
古くは、当時球界を代表する二塁手だった井口資仁選手(当時ダイエー)。
井口選手のポスティング移籍に一度はOKを出したにも関わらず一転NGにし、最終的に井口選手が自由契約を選択してMLBに移籍しました。
近年では、千賀滉大投手。
千賀投手は2017年オフの段階でポスティングでのMLB移籍を希望していたとされていますが、ソフトバンクは最後まで認めず。
最終的に海外FA権が得られる2022年オフまで待って、MLBに移籍しました。
ソフトバンクがポスティングを容認しない理由については既にメディアで明らかにされており、ソフトバンクが世界一の球団を目指すにあたり、ライバルとなるメジャー球団に有力選手を供給したくないという考えが根底にあるようです。
取得した海外FA権を行使してメジャーに挑戦するのは選手の権利であり、止めることはできない。ただ球団の権利であるポスティングを利用して、わざわざチームの主力である選手を、世界一を狙う上ではライバルとなるメジャー球団に移籍させていては、その“野望”に反するものだというのが考えの根底にある。
FullCountより引用
そもそもポスティングシステムは球団に決定権があるシステム。
ホークスに「世界一の球団を目指す」というポリシーがある以上、その球団方針に対して批判する理由はなさそうです。