どうしても1点を取りたい場面で繰り出される戦術、スクイズ。
失敗すると一気に流れが相手に傾くケースがあるため、扱いが難しい戦術でもあります。
この記事では、スクイズの意味や語源、送りバントとの違いについて解説していきます。
【野球】スクイズとは?意味や語源、条件を解説!
スクイズとは、ランナー三塁の場面においてバントで1点を奪いに行く戦術のことを指します。
スクイズの語源は?
スクイズの語源は英語の「squeeze(搾り出す)」です。
どうしても1点が欲しい場面で得点を絞り出すための戦術という意味で、英語表現からそのまま「スクイズ」と呼びます。
スクイズが成立する条件とは?
スクイズは三塁ランナーをバントでホームに還す戦術で、基本的には打者は犠牲になります。
すなわち1アウト確定。
そのため、スクイズが成立するためには下記の条件が必要です。
- ランナー三塁の場面
- ノーアウトかワンアウト
もしスクイズが成功すれば、打者に犠打と打点が記録されます。
【野球】スクイズの種類
スクイズにはいくつか種類があります。
スーサイドスクイズ(通常のスクイズ)
スーサイドは英語で「自死」を意味していて、投球と同時に三塁ランナーがスタートし1点を取りに行くスクイズを指します。
一般的にスクイズと言えば、このスーサイドスクイズを意味します。
セーフティスクイズ
セーフティスクイズは、バント後にランナーが打球判断してスタートを切るスクイズのことを指します。
ランナーはイチかバチかのスタートをする必要がなく、比較的安全なことからセーフティスクイズと呼ばれています。
偽装スクイズ
偽装スクイズとは、ランナー一塁三塁のケースでスクイズを囮に使い、一塁ランナーを二塁に進塁させる戦術のことを指します。
バッターはスクイズすると見せかけて、わざと空振り。
三塁ランナーが飛び出すと見せかけて帰塁した隙に一塁ランナーもスタートし、二塁三塁の状況を作り出すことを目的としています。
偽装スクイズで一塁ランナーをあえて一二塁間に挟ませて、その隙に三塁ランナーを本塁に還す「偽装の偽装」も存在します。
【野球】スクイズのメリットとデメリット
スクイズはハイリスクな戦術で、メリットとデメリットがあります。
スクイズのメリット
スクイズのメリットは、ランナーを三塁に置いたチャンスでバッティングが苦手な選手に打順が回ってきても、得点を奪える確率が上がることにあります。
一般的にバントは決めるのが当たり前と言われます。
野球は確率のスポーツとも言われており、普通に打つよりもスクイズの方が確率が高いと判断されたバッターにスクイズのサインが出されることはよくあります。
スクイズのデメリット
一方で、スクイズのデメリットは失敗した時のリスクです。
スクイズは投球と同時にランナーがスタートを切りますが、相手チームはスクイズのサインが出そうなタイミングでバントさせないように投球を外してきます。
もし意図的に投球を外されてバットに当てられなかった場合は、貴重な三塁ランナーを失ってしまいます。
最悪のケースはバントがフライになった時で、打者はフライアウトになり、さらに三塁ランナーは飛び出しているためランナーもアウトに。
ダブルプレイで攻撃の芽を潰されるため、試合の流れが一気に相手に傾いてしまうことになります。
このように失敗した時のリスクが大きすぎるのがスクイズのデメリットです。
【野球】スクイズと送りバントの違いは?
スクイズはバントの一種ですが、送りバントとは明確に異なります。
比較項目 | スクイズ | 送りバント |
---|---|---|
ランナーの位置 | 三塁 | 一塁もしくは二塁 |
ランナーのスタート | 投球と同時 | バントの行方を見てから |
打者の記録(成功時) | 犠打と打点 | 犠打のみ |
送りバントはランナーを進めるバント、一方でスクイズは得点を奪いに行くバントという点で異なります。
【野球】スクイズとは?意味や語源を解説!送りバントとの違いは?【まとめ】
この記事では、スクイズの意味や語源、送りバントとの違いについて解説しました。
スクイズとは、ランナー三塁の場面においてバントで1点を奪いに行く戦術のことを指します。
スクイズの語源は英語の「squeeze(搾り出す)」で、三塁ランナーが投球と同時にスタートを切ることから、ハイリスクな作戦として知られています。