右打者の強烈な打球が飛んで来る様から、「ホットコーナー」とも呼ばれるポジション・サード(三塁手)。
この記事では、サードの役割や求められる能力を解説し、最後に三塁手の名選手について紹介していきます。
【野球】サードとは?
三塁手(サード)は、三塁ベース付近を守備範囲とする野手です。
右打者の強烈な打球が飛んで来やすく、しかも一塁から遠いため、球際の強さや肩の強さが問われるポジションです。
勝利の貢献度を表すWARの計算をする時にポジションごとに補正をかけますが、fWARにおいては二塁手や中堅手に並ぶ守備負担が大きいポジションとして補正値が設定されています。
アメリカではそれだけ三塁の守備力が重要視されているということですね。
【野球】サードの役割とは?
サードの主な役割は、三塁ベース付近の打球を捌くことです。
サードの役割①守備範囲内の打球を捌く
サードは右打者が引っ張った打球の速いライナーから、三遊間方面の緩いゴロまで強弱様々な打球が飛んできます。
その中でも特にサードの腕の見せ所となるのが三塁線の強い打球。
打球に飛びついて捕球し、振り向きざまに強肩で一塁に送球してアウトにする流れは、サードの一番の見せ場です。
サードの役割②バント処理
バントの打球を処理するのもサードの役割の一つです。
送りバントの時はチャージして捕球し、確実にアウトを取ります。
意表を突いたセーフティバントの場合、一塁まで一番遠いサードが狙われやすいため、俊足のバッターの時はあらかじめ注意しておく必要があります。
サードの役割③守備は後回しでとにかく打つ
実は、サードはファーストほど守備機会が多くなく、守備が上手くない強打者を配置するのにうってつけのポジションです。
ファーストは捕球回数が多く、地味に難しいポジションです。
難しい打球がセーフになるのは仕方ないと割り切って、とにかく打ちまくるというのもサードの重要な役割です。
【野球】サードに求められる能力とは?
三塁ベース付近の打球を捌くサードに求められる能力について解説します。
肩の強さと正確性
サードは一塁から一番遠いところを守るため、何といってもまずは強肩が必要です。
また確実に一塁手の捕球範囲内に送球してアウトを取るために、送球の正確性も必要です。
MLBでは最近、内野手の送球の球速も計測されるようになっており、160キロ近くの剛速球で送球する選手も現れてきました。
レッズのエリー・デラクルーズ選手です。
俊敏性
三塁手は強い打球が飛んでくる一方で、当たり損ねのゴロやバントも処理する時に前に出る必要があります。
二遊間ほどの俊敏性は必要ないものの、ある程度の俊敏性がないと緩い打球をアウトにできません。
強い打球に立ち向かうガッツ
サードは右打者が引っ張った強烈な打球が飛んでくることから、「ホットコーナー」とも呼ばれます。
強い打球でも確実に捕球できるグラブ捌きはもちろんのこと、強い打球を恐れない強い気持ちが必要です。
「球際の強さ」とも言われます。
【現役限定】サードの守備が上手い名選手は誰?【守備職人】
日本プロ野球界のレジェンド・長嶋茂雄氏を始めとして様々なサードの名手がいますが、ここでは現役限定でサード守備が上手い名選手を紹介します。
岡本和真
セ・リーグで2年連続ゴールデングラブ賞を受賞中の岡本和真選手です。
派手さはないものの安定感のある守備が特徴で、2年連続で守備率リーグトップ。
サードだけでなくファーストやレフトも守れるため、将来メジャー挑戦する際に有利に働くと言われています。
シンプルに守れるポジションが多いと出場機会が増えるため。
宗佑磨
パ・リーグで2年連続ゴールデングラブ賞を受賞中の宗佑磨選手です。
岡本選手とは逆に、圧倒的な身体能力を生かしたド派手なプレーが印象的な選手です。
特に三塁線のゴロを捌いた後の送球の強さは必見です。
ノーラン・アレナド
メジャーリーグの三塁手の名手と言えば、ノーラン・アレナド選手です。
デビュー以来10年連続でゴールドグラブ賞を受賞中。
守備範囲の広さ、肩の強さ、俊敏性全てを高次元で備えていて、しかも打撃もレベルが高い非常に優秀な三塁手です。
WBCアメリカ代表の正三塁手でもあります。
【野球】サードの役割とは?求められる能力を解説!名選手は誰?【まとめ】
この記事では、サードの役割や求められる能力を解説し、最後にサードの守備が上手い名選手を紹介しました。
三塁手(サード)は、三塁ベース付近を守備範囲とする野手です。
サードを守るためには強肩や足さばき、強い打球を恐れないガッツが必要ですが、結局は打撃力が重視されるポジションでもあります。