野球用語の中でも、特にごっちゃになりやすい「打数」と「打席」。
この記事では、打数と打席の違いについて分かりやすく解説していきます。
「打席」とは?
打席は、正確には「打席数」と言い、バッターボックスに立って何らかの打撃結果を得た回数です。
打撃結果とはアウトになるか、もしくは塁に到達することを指します。
簡単に言うと、バッターボックスに立った回数です。
「打席数」がカウントされないのはどんな時?
打席数がカウントされないのは、打席の途中において何らかの理由で打席を完了できなかった場合です。
例えば、打席に入ったにもかかわらず、このような事象が起きた場合は打席数がカウントされません。
- 打席途中で代打を出された場合
- 打席途中にランナーの盗塁死・牽制死でチェンジになった場合
- 暴投や捕逸などのミスで、打席途中で得点が入りサヨナラになった場合
- 打席途中で悪天候などによるコールドゲームが宣告された場合
首位打者獲得には規定打席到達が必須
首位打者のタイトルを獲得するには、規定打席に到達する必要があります。
理由は、打席数が少ないとシーズントータルの数値として評価できないからです。
例えば、2017年の近藤健介選手は231打席で打率.413でしたが、規定打席におよそ半分足りていません。
「打数」とは?「打数」に含まれないのはどんな時?
打数とは、打席数から「四死球・犠牲バント・犠牲フライ・打撃妨害・走塁妨害」を引いたものです。
一言で言うと、打撃結果が安打か凡退かの合計が打数です。
エラーは本来アウトになるはずだったということで凡退として計算され、打数がカウントされます。
「打数」に含まれないのはどんな時?
打撃結果がバッターがコントロールできない、またはチームのための犠牲である場合は打数がカウントされません。
理由は打率の計算が打数を元に行われるからです。(後述)
例えば、四死球や打撃・走塁妨害はバッターが制御できるものではないため、打数からは除外されます。
チームのために自分の1打席を犠牲にする犠牲バントや犠牲フライも、打数からは省かれます。
打率などの指標は打数をベースに計算する
打率や出塁率、長打率など打撃系指標の〇〇率を計算する際の分母は、打席数ではなく打数になっています。
例えば、打率の計算方法は以下の通り。
仮に分母が打席数だと、四球数などの打者の力量に関係ない要素が入ってきてしまいます。
純粋に打者の実力を測るために、打率などの率計算の分母は打数になっています。
プロ野球のニュースでは「〇打数〇安打」と伝えられる
プロ野球の結果を伝えるニュースなどでは、選手の結果を「5打席1安打」とは伝えません。
「大谷選手は4打数2安打1打点、フォアボールを1つ選びました」などと伝えるのが一般的です。
ちなみに、大谷選手の結果が「2打数2安打」の時、「あれ?大谷が打つ回数少なくない?怪我した?」と思うかもしれません。
その心配は無用で、実は3つフォアボールを選んでいて打席数としては5打席だった、みたいなことがほとんどです。
特に2023年は絶好調で絶賛四球攻め中です。
「打数」と「打席」の違いは?
打数は「打席数」という大きな括りの中の一部分に過ぎません。
打席数 = 打数+四死球+犠牲バント・フライ+打撃・走塁妨害
「打席数」は規定打席で使われ、「打数」は様々な指標の計算に用いられる点が大きな違いです。
規定打席は昔、規定「打数」だった
規定打席は昔、規定「打数」でした。
もし規定「打数」だった場合、四球を選んだ打席はカウントされないので、出場していないのと同じことになります。
昔、テッド・ウィリアムス選手の四球が多すぎて、打率で上回っていたにも関わらず「規定打数」に届かず首位打者を逃したことがありました。
これでは選球眼が良いバッターに不平等だということになり、現在は「規定打数」から「規定打席」に変更されています。
歴史からも打数と打席の違いを知ることができます。
【野球】打数と打席とは?違いを解説!打数に含まれないのはどんな時?【まとめ】
この記事では、打数と打席の違いについて分かりやすく解説しました。
打席は、正確には「打席数」と言い、バッターボックスに立って何らかの打撃結果を得た回数です。
打数とは、打席数から「四死球・犠牲バント・犠牲フライ・打撃妨害・走塁妨害」を引いたものです。
「打席数」は規定打席で使われ、「打数」は様々な指標の計算に用いられる点が大きな違いです。