毎年10月に開催されるプロ野球の新人選手を指名していく重要な会議である「ドラフト会議」。
この記事では、ドラフト会議の仕組みやルール、いつどこで行われるのかについて紹介していきます。
【プロ野球】ドラフト会議とは?
ドラフト会議とは、新人選手をプロ野球チームが公平な条件で指名し獲得する会議を意味します。
正式名称は「新人選手選択会議」と言い、12球団の戦力均衡を目的としており、そのためのルールと仕組みが整備されています。
【プロ野球】ドラフト会議はいつどこで行われる?
ドラフト会議は毎年10月に行われます。
過去5年間のドラフト会議開催日は下記の通りで、2023年のドラフト会議は10月26日(木)に行われます。
- 2018年:10月25日(木)
- 2019年:10月17日(木)
- 2020年:10月26日(月)
- 2021年:10月11日(月)
- 2022年:10月20日(木)
- 2023年:10月26日(木)
過去の傾向からすると10月下旬の木曜日に行われることが多いようです。
ドラフト会議の会場はどこ?
ドラフト会議は、2009年以降はグランドプリンスホテル新高輪内「国際館パミール」(東京都港区)が会場となっています。
新型感染症流行時は、感染防止のために会場を変えて開催しました。
過去5年間のNPBドラフト会議の開催会場がこちら。
- 2018年:グランドプリンスホテル新高輪内「国際館パミール」
- 2019年:グランドプリンスホテル新高輪内「国際館パミール」
- 2020年:ザ・プリンス さくらタワー東京・コンファレンスフロアの各会議室(各球団別)
- 2021年:ザ・プリンス さくらタワー東京・コンファレンスフロアの各会議室(各球団別)
- 2022年:ザ・プリンス さくらタワー東京・コンファレンスフロアの各会議室(各球団別)
まだ「特例2023」のルールが適用されている2023年も、おそらく各球団別でザ・プリンス さくらタワー東京・コンファレンスフロアの各会議室を使用する可能性が高いと考えられます。
【プロ野球】ドラフト会議の対象選手に関するルールは?
ドラフト会議で指名できる選手にはルールが設定されています。
高校生・大学生でドラフト指名される条件
- ドラフト会議の翌年3月卒業予定
- プロ志望届提出済
高校生・大学生はプロ志望届の提出が大きな特徴です。
社会人でドラフト指名される条件
- 【高卒で社会人チーム入団の場合】3年目以降の選手
- 【大卒で社会人チーム入団の場合】2年目以降の選手
社会人はプロ志望届の提出不要です。
その他条件
- 学生の場合、ドラフト開催年の4月1日以降に退学している場合は指名不可。
- 独立リーグの場合、所属1年目から指名可能。
【プロ野球】ドラフト会議の仕組みは?【入札方式/ウェーバー方式】
ドラフト会議の仕組みは、1巡目が入札方式、2巡目以降がウェーバー方式を採用しています。
【1巡目】入札方式とは?
入札方式では、各球団が欲しい選手を指名し、指名選手が被った場合はくじ引きになります。
指名選手が被った球団数のことを「〇球団が競合」と呼びます。
例えば、野茂英雄投手はドラフトで8球団が競合しました。
その時のビデオがこちら。
他球団と競合し、くじ引きで当たらなかった球団は再度1位選手を指名します。
それでまた他球団と競合した場合は再度くじ引きをし、これは全球団の1位指名選手が確定するまで繰り返されます。
「指名→競合したらくじ引き」を全球団の1位選手が確定するまで続ける。
本命の1位を外して、2回目で確定した1位を「外れ1位」、2回目も外して3回目で確定した1位を「外れ外れ1位」などと呼んだりもします。
例えば、巨人の坂本勇人選手の時のドラフトは堂上直倫選手が本来の1位指名でしたが、くじ引きで外しての外れ1位でした。
【2巡目以降】ウェーバー方式
2巡目以降のウェーバー方式では、レギュラーシーズンの下位チームから順番に指名します。
1巡目の入札方式のように一気に欲しい選手を発表するわけではなく完全に順番が決まっているため、競合が起き得ないのが特徴です。
そのため、2巡目以降はくじ引きもありません。
セ・パのどっちの6位チームが先に指名するかに関しては、毎年順番を入れ替える決まりになっています。
2023年はセ・リーグの6位チームからの指名となります。
- 2020年:パ・リーグ
- 2021年:セ・リーグ
- 2022年:パ・リーグ
- 2023年:セ・リーグ
- 2024年:パ・リーグ
2巡目のセ・パ両リーグの6位チームから1位チームまで指名が終わると、3巡目は2巡目の逆順で1位から6位の順番に変わり、4巡目は再度6位から1位の順番になります。
【2巡目】セ6位→パ6位→セ5位→パ5位→…セ1位→パ1位
【3巡目】パ1位→セ1位→パ2位→セ2位→…パ6位→セ6位
【4巡目】セ6位→パ6位→セ5位→パ5位→…セ1位→パ1位
【5巡目】パ1位→セ1位→パ2位→セ2位→…パ6位→セ6位
【6巡目】セ6位→パ6位→セ5位→パ5位→…セ1位→パ1位
全球団が「選択終了」することでドラフト会議は終了
ドラフト会議は全球団が「選択終了」することで終了します。
指名最少人数の規定はないため、各球団のドラフト戦略によって指名人数は異なります。
一方で指名最大人数は全球団合わせて最大120人となっており、指名人数が合計120人に達すると「選択終了」を宣言していない球団があっても強制終了となります。
育成選手選択会議
もし新人選手選択会議での指名選手が120人未満だった場合は、育成選手選択会議が開催されます。
こちらは育成選手の指名となり、育成ドラフトと呼ばれます。
ドラフトでの指名はあくまで契約交渉権に過ぎない
ドラフトで指名されたら、必ず入団しなければならないわけではありません。
あくまで契約交渉権の獲得に過ぎず、その後契約するかしないかはその選手の判断に委ねられます。
契約交渉期間は指名されたドラフト会議の翌年3月末までで、社会人野球チーム所属選手は翌年1月末までとなっています。
この期限までに契約を締結し支配下選手として公示できなかった場合、その年に他球団と契約することはできません。
入団拒否はメジャーではよくある
日本では意中の球団ではない、もしくは指名順が低すぎるというのが主な入団拒否理由です。
日本では入団拒否するとあまり良い印象を持たれませんが、メジャーでは良くあることとして受け入れられています。
メジャーの入団拒否理由は様々で、大学進学、契約金が低すぎる、アメフトやバスケなど他のスポーツをやりたいからといったものがあります。
メジャーは移籍が活発なので「意中の球団ではない」という入団拒否理由はほぼありません。
【プロ野球】ドラフト会議とは?いつどこで行われる?仕組みやルールを解説!【まとめ】
この記事では、ドラフト会議の仕組みやルール、いつどこで行われるのかについて紹介しました。
ドラフト会議とは、新人選手をプロ野球チームが公平な条件で指名し獲得する会議を意味します。
ドラフト会議はおおよそ10月下旬あたりにグランドプリンスホテル新高輪で行われ、1巡目は入札方式、2巡目はウェーバー方式で行われます。