日本人メジャーリーガーのパイオニアと言われる野茂英雄氏。
日本では近鉄で5年間プレイしたものの、キャリアの大半をメジャーリーグで過ごしました。
この記事では、そんな野茂英雄氏の年俸推移やメジャー年金の金額、現在の年収額について紹介していきます。
野茂英雄の年俸推移【近鉄/メジャー】
日本人メジャーリーガーのパイオニア・野茂英雄氏の年俸推移がこちら。
| 年度（年齢） | 所属 | 年俸 ※M=百万 | 特記事項 |
|---|---|---|---|
| 1990（22歳） | 近鉄 | 1000万円 | 契約金1億2000万円 |
| 1991（23歳） | 近鉄 | 3600万円 | – |
| 1992（24歳） | 近鉄 | 6600万円 | – |
| 1993（25歳） | 近鉄 | 1億1600万円 | – |
| 1994（26歳） | 近鉄 | 1億4000万円 | NPB任意引退扱い |
| 1995（27歳） | LAD | $109,000（1300万円） | 契約金$2M マイナー契約スタート |
| 1996（28歳） | LAD | $600,000（7200万円） | 3年契約1年目 |
| 1997（29歳） | LAD | $900,000（1億800万円） | 3年契約2年目 |
| 1998（30歳） | LAD→NYM | $2.8M（3億3600万円） | 3年契約3年目 |
| 1999（31歳） | MIL | $2,925,000（3億5100万円） | – |
| 2000（32歳） | DET | $1M（1億2000万円） | – |
| 2001（33歳） | BOS | $4.5M（5億4000万円） | – |
| 2002（34歳） | LAD | $4.5M（5億4000万円） | 2年契約1年目 |
| 2003（35歳） | LAD | $7.75M（9億3000万円） | 2年契約2年目 |
| 2004（36歳） | LAD | $9M（10億8000万円） | 球団による契約オプション行使 |
| 2005（37歳） | TB→NYY（マイナー） | $800,000（9600万円） | マイナー契約スタート |
| 2006（38歳） | CWS（マイナー） | – | マイナー契約 |
| 2007（39歳） | 無所属 | – | – |
| 2008（40歳） | KC | $390,000（4680万円） | マイナー契約スタート |
- LAD：ロサンゼルス・ドジャース
- NYM：ニューヨーク・メッツ
- MIL：ミルウォーキー・ブリュワーズ
- DET：デトロイト・タイガース
- BOS：ボストン・レッドソックス
- TB：タンパベイ・デビルレイズ
- NYY：ニューヨーク・ヤンキース
- CWS：シカゴ・ホワイトソックス
- KC：カンザスシティ・ロイヤルズ
【前代未聞】任意引退でのMLB挑戦
野茂英雄氏は1989年ドラフト1位で近鉄に入団。
近鉄には5年間在籍し、数々の大記録を打ち立てました。
- 最多勝：4回（4年連続）
- 最多奪三振：4回（4年連続）
- 沢村賞：1回
- シーズンMVP：1回
- 新人王
4年目には早々に年俸1億円を超えたものの、5年目のオフの契約更改で近鉄球団と当時の鈴木啓示監督との確執が発生。
近鉄球団とは契約金額や待遇の悪さで対立し、鈴木監督とは走り込み強要やフォーム変更などの指導方法で対立。
モグルくん野茂氏はしっかり自分を主張できる人間でした。
確執は結局最後まで無くなることはなく、近鉄は野茂氏を「任意引退」扱いにして、他球団に移籍できないようにしました。
近鉄による対応（任意引退）は完璧だったように見えますが、実はこれは代理人の作戦だったとも言われています。
というのも、野茂氏は最初からMLB移籍を希望。
任意引退扱いだと日本の他球団には移籍できませんが、海外球団には移籍できるという盲点を突き、無事にMLBへ移籍することができました。
ちなみに野茂氏や後の伊良部氏の移籍経緯から、その後ポスティング制度が確立されることとなります。
ポスティング制度のルールについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
MLBでの最高年俸は10億円以上！
こうしてMLBに移籍できた野茂氏でしたが、日本人メジャーリーガーの前例がほぼ無い中で評価が難しく、マイナー契約スタートとなりました。
そんな中、1年目の1995年から大活躍し、新人王と最多奪三振を受賞。
通算では7度の2ケタ勝利をあげるなど、123勝をマーク。
10万ドルから始まった年俸は、2004年に自身最高の900万ドル（10億8000万円）に到達しました。
これは当時のMLB全体の年俸ランキングで49位であり、日本人メジャーリーガーの中でトップ。
MLBは、この時代から既に年俸が20億円を超えるプレイヤー（マニー・ラミレスとアレックス・ロドリゲス）を輩出。
MLBがここまで高い年俸を払える理由は、こちらの記事で詳しく解説しています。
野茂英雄の生涯年俸は？現在の資産はいくら？
野茂英雄氏の生涯年俸は49億4080万円です。
| NPB契約金 | 1億2000万円 |
| NPB総年俸額 | 3億6800万円 |
| MLB契約金+年俸額 | 44億5280万円 |
| 生涯年俸（日本円） | 49億4080万円 |
半分税金で納めたとしても、野茂氏には25億円ほどの資産があると推測されます。
このように十分な生涯年俸を稼いできた野茂氏ではありますが、やはり契約面ではかなり損をしてきたと言えます。
野茂氏が渡米した当時はポスティング制度がなく、MLBの日本人への評価も低かったことから、FAでのMLB移籍は夢のまた夢だった時代。
現代のようにポスティング制度を利用して移籍した場合、最初から良い契約が得られてさらに倍は稼げていたはずです。
お金に執着せずにMLBで黙々と実績を作り上げ、日本人メジャーリーガーの礎を築いたことに野茂氏の価値があると言えます。
野茂英雄はメジャーリーグ年金をいくらもらえる？
野茂氏は、メジャーリーグ年金を満額（約2800万円）もらうことができます。
メジャーリーグの年金の満額受給資格は10年のプレイなので、受給資格を満たしています。
野茂氏はパイオニアであるが故に、最近MLBに挑戦する選手ほど稼げていないのは事実です。
このように年俸面だけ切り取ると、野茂氏のMLBにおけるキャリアは報われなかったとも言えるかもしれません。
それもメジャーリーグの年金を62歳から毎年2800万円もらうことで報われそうです。
野茂英雄の現在の年収は？
野茂英雄氏は現在、サンディエゴ・パドレスのアドバイザーや日本プロ野球の解説者として活動しています。
とはいえ、日本プロ野球の解説者としての仕事は限られており、パドレスでのアドバイザー業がメインであると考えられます。
アドバイザーの年収は公開されていませんが、5000万円ほどと考えられます。
現在はアメリカと日本の両方に拠点があると見られ、数十億円の資産をベースに悠々自適な生活を送っているようです。
元ヤンキース・松井秀喜氏も、アメリカを拠点に野茂氏と似たような引退後の生活を送っています。
野茂英雄の年俸推移！メジャー年金はいくら？現在の年収は？【まとめ】
この記事では、野茂英雄氏の年俸推移やメジャー年金の金額、現在の年収額について紹介してきました。
野茂氏の生涯年俸額は49億4080万円で、メジャーリーグの年金は満額の2800万円を62歳から一生涯もらい続けることができます。
現在はサンディエゴ・パドレスのアドバイザーを中心に、悠々自適なセカンドライフを送っています。
