現代のプロ野球において欠かせない存在になっているクローザー。
普段は先発をやっている大谷投手が、クローザーとしてWBC決勝のアメリカ戦で投げたことは記憶に新しいところです。
この記事では、クローザーの意味や役割、なぜ必要なのかについて紹介していきます。
【野球】クローザーとは?意味を解説!
クローザーとは勝ち試合の9回に登板して、試合を締めくくる役割の投手のことを指します。
クローザーと同義の言葉として、「抑え」「ストッパー」があります。
クローザーとストッパーの違いは?
クローザーとストッパーの違いは、本場の英語か和製英語かの違いです。
クローザーは英語で「Closer」で、MLBでも使われている本場の英語表現です。
一方、ストッパーは和製英語で日本でしか通じず、アメリカでは通じません。
クローザーの役割は?なぜ必要?
クローザーの役割はセーブが付く場面で9回を締めくくることです。
セーブが付く場面とは?
セーブが付く場面は主に3つあります。
- 3点差以内で勝っている9回
- 9回の2連続HRで同点もしくは逆転される場面(最大5点差)
- 3イニング以上投げて試合を締めくくる(点差関係なし)
一番スタンダードなのが、9回で3点差以内のリードの場面です。
これらの場面で登板し、下記の前提条件をクリアすることでセーブが付きます。
- 勝利投手ではない
- 勝利チームの最後のアウトを取る
- 1/3イニング以上投げる
- 最後までリードを守り切る
セーブについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
クローザーはなぜ必要?
クローザーは不要という論調もありますが、現代野球では欠かせない存在になっています。
現代野球は先発とリリーフで明確に役割分担しており、先発完投することがかなり減りました。
現在は先発投手の指標としてQSが登場し、先発は6回3失点が一定の評価ラインとされています。
そういった野球の変化の中で、試合の終盤でリードを守ることができる上質なリリーフ陣はシーズンの戦いを優位に進めるために必要不可欠です。
近年だと阪神の「JFK」が有名です。
そして、リリーフの中でも最上位の投手を配置するのがクローザーというポジション。
シーズンで優勝を目指すなら、良いクローザーは絶対に必要です。
良いクローザーの条件とは?
良いクローザーの条件は下記の3つが考えられます。
- 圧倒的な実力
- メンタルの強さ
- 連投に耐えられる体力
良いクローザーの条件①圧倒的な実力
良いクローザーになるには、安定したコントロール、速い球速、キレの良い変化球が必要です。
クローザーはリリーフ陣の中でも一番の実力者が配置されます。
特に1点差での登板だとホームランが命取り。
余計なランナーを出さないことはもちろんのこと、投げミスをしないコントロールが不可欠です。
また、いざという時に剛速球やキレのある変化球で三振を取れる能力も重要です。
良いクローザーの条件②メンタルの強さ
良いクローザーにはメンタルの強さも重要です。
クローザーはリリーフ陣が繋いでくれたリードを最後まで守り抜くため、7回や8回に投げるセットアッパーと比較しても背負う責任が桁違いです。
重圧を何とも思わないような図太い神経を持った選手にクローザーは向いていると言えます。
良いクローザーの条件③連投に耐えられる体力
セットアッパーは複数人いることが多いですが、基本的にクローザーはチーム内で唯一無二の存在です。
そのため、セーブが付く状況になれば、連投であっても投げる必要があるポジションです。
あまりにクローザーの連投が続くと、たまにセットアッパーの一番良い投手が9回を締めたりしますが。
クローザーを務めるには、長いシーズンを戦い抜く強靭な体力が必要と言えます。
日本を代表するクローザー
ここでは日本を代表するクローザーを3人紹介します。
【大魔神】佐々木主浩
「大魔神」こと佐々木主浩氏は、日本で通算252セーブ、MLBで129セーブの合計381セーブをあげた日本を代表するクローザーです。
決め球はフォークで、今でも「あれは打てない」と様々なメディアで言われるほどの威力を誇りました。
日本とアメリカで稼いだ生涯年俸は53億4080万円にのぼります。
【通算セーブ記録保持者】岩瀬仁紀
岩瀬仁紀氏は中日一筋20年で、1002登板で407セーブ(どちらも日本プロ野球最多)をあげた鉄腕クローザーです。
通称は「死神」であり、決め球のスライダーは「死神の鎌」と言われるほどのキレを誇りました。
【若くして名球会入り間近】松井裕樹
松井裕樹投手は、通算220セーブ(2023年7月末時点)を誇る楽天のクローザーです。
決め球は縦に大きく落ちるスライダー。
奪三振能力が非常に高いのが特徴で、2022年までの通算奪三振率は11.77です。
2024年からのメジャー挑戦も噂されており、もしメジャーに行ったらどのような役割になるのか気になるところです。
MLBを代表するクローザー
MLBで通算600セーブ超を記録した化け物クローザー2人を紹介します。
【カットボーラー】マリアノ・リベラ
マリアノ・リベラ氏はヤンキース一筋19年でMLB歴代最高の652セーブを挙げている、MLBを代表するクローザーです。
投球のほとんどがカットボールで、一般的なカットボールよりも曲がり幅が大きいことで打たれることはほぼありませんでした。
キャリアを通じてほとんど大きな怪我をせず、現役最終年も44セーブを記録するほど息が長い投手だったことで、652セーブを積み上げることができました。
【魔球チェンジアップ】トレバー・ホフマン
トレバー・ホフマン氏は現役生活18年でMLB歴代2位の601セーブを挙げた、こちらもMLBを代表するクローザーです。
ホフマン氏の決め球はストレートと同じ腕の振りで投げるチェンジアップで、伸びのあるストレートとのコンビネーションが抜群でした。
圧倒的な功績から、両者ともアメリカ野球殿堂入りを果たしています。
【野球】クローザーとは?意味や役割、なぜ必要なのかを解説!【まとめ】
この記事では、クローザーの意味や役割、なぜ必要なのかについて紹介しました。
クローザーとは勝ち試合の9回に登板して、試合を締めくくる役割の投手のことを指します。
クローザーは継投が重要視される現代の野球におけるリリーフの最高峰の投手なので、かなり重要視されているポジションです。