メジャーリーグにおいて、すぐに試合に復帰できないレベルの怪我をした場合は負傷者リストに入ります。
負傷者リストは日本プロ野球(NPB)には無い概念で、このような疑問を持つ方もいらっしゃるかもしれません。
なんで負傷者リストが必要なの?英語では何て言うの?
そこでこの記事では、負傷者リストの意味やロースターで果たす役割、英語の読み方について紹介していきます。
【メジャーリーグ】負傷者リスト(IL)とは?英語の読み方は?
メジャーリーグの負傷者リストは、試合に出場できない選手を登録するリストのことを指します。
負傷者リストに登録することで、代わりの選手を補充することが可能。
ちなみに代替選手は大概の場合、40人枠に入ってマイナーでプレイする期待の若手です。
負傷者リストの英語の読み方は?
負傷者リストは英語で「Injured List」と言います。
読み方は「インジャード・リスト」です。
Injured Listの頭文字を取って、Webニュースのタイトルなどでは「IL」と略されることもあります。
負傷者リストの種類は?
負傷者リストには故障の具合によって短期用と長期用の2種類が存在。
リスト種の日数は、当該日数が経過しないと試合に復帰できないという意味。
規定日数が過ぎてもIL登録状態をキープすることも可能で、例えばトミー・ジョン手術でシーズン全休の場合は、シーズン中ずっと60日IL入りした状態になります。
種類 | 説明 |
---|---|
10日/15日IL | 短期用。10日は野手、15日は投手と二刀流のみ登録可能。 |
60日IL | 長期用。 |
【負傷者リスト】10日/15日ILと60日ILの違いは?
10日/15日ILと60日ILの間には、日数の違いよりも決定的な違いがあります。
それは当該選手が除外されるロースターの種類です。
違いをまとめると以下の通り。
種類 | 説明 |
---|---|
10日/15日IL | 登録されるとアクティブロースター(26人)の頭数から除外される。 |
60日IL | 登録されるとアクティブロースター(26人)に加えて40人枠の頭数からも除外される。 |
10日/15日ILの場合は、シンプルな選手入れ替えというイメージ。
ベンチ入りメンバー(26人枠)に1枠空きが出るので、ほとんどの場合は40人枠に入っているマイナー選手から補充されます。
一方で、60日ILの場合は、長期離脱前提のため外部から選手を1人追加するイメージ。
40人枠を1枠空けられるので、トレードやマイナー契約からの昇格などで新たな選手を補強できます。
40人枠はNPBで言うところの支配下登録枠に似ており、マイナー契約からの昇格は、いわば育成から支配下登録のようなものです。
メジャーリーグのロースター(26人枠や40人枠)に関しては、下記の記事で詳しく解説しています。
【メジャーリーグ】負傷者リスト?故障者リスト?
イチロー選手が全盛期の時代からメジャーリーグをかじっていた方であれば、負傷者リストよりも故障者リスト、ILよりもDLの方がより親しみがあり、違和感を覚えるはず。
その違和感は正解で、実はMLBでは2018年オフから呼称の変更がありました。
種類 | 2018年以前 | 2018年オフ以降 |
---|---|---|
日本語呼称 | 故障者リスト | 負傷者リスト |
英語呼称 | Disabled List(DL) | Injured List(IL) |
元々の呼称で使用していた「Disabled」という単語には「身体障害」という意味合いも含まれ、より明確に「負傷・故障」を示す言葉である「Injured」に変更となったのが経緯です。
MLBの負傷者リスト(IL)の利用例は?
ILの利用例として、2021年9月1日にトミー・ジョン手術を受けた前田健太投手のロースター登録推移を紹介します。
日付 | 解説 |
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2021/8/21 | この日の試合で右肘の張りを訴え負傷降板。 |
2021/8/23 | すぐに復帰できないレベルの負傷と判断され、10日IL入り。 【補足】2021年までは投手も10日のILに登録可能だった。 |
2021/9/1 | トミー・ジョン手術を受けた。同時に60日ILに切り替え。 【補足】10日/15日から60日へは切り替え可能。逆は不可。 |
2021/11/5 | アクティブロースターに復帰。 【補足】シーズン終了後はILを使えないため。 |
2022/3/20 | 再度60日ILに登録。 【補足】スプリングトレーニングが始まると同時にILが使えるようになるため。 |
2022/11/10 | アクティブロースターに復帰。 |
2023 | シーズン開始時からアクティブロースター復帰。 |