野球において地味ではあるものの非常に重要なポジション、キャッチャー。
この記事では、キャッチャーの役割や求められる能力を解説し、最後に有名なキャッチャーについて紹介していきます。
【野球】キャッチャーとは?
野球におけるキャッチャーとは、ピッチャーが投げたボールを受ける役割の選手です。
通称「扇の要」
キャッチャーは野球において極めて特別なポジションで、チーム内で唯一グラウンド側を見ることができる選手です。
全体を見渡せることから「グラウンド上の監督」とも表現され、通称「扇の要」とも言われます。
防具を装着可能
キャッチャーは、時には160km/h以上にもなる投球を受けて、ワンバウンドを体で止めたり、ファウルチップを体に受けることがある危険なポジションです。
そのため、キャッチャーは野手の中で唯一防具を装着可能なポジションです。
キャッチャーの防具には、チェストプロテクター、キャッチャーマスク、レガースなどがあります。
「女房役」や「正妻」とは?
キャッチャーはピッチャーを支えるという意味合いから、昭和からの言い方で「女房役」とも言われます。
今の若い人は「女房」と呼ぶ人はいないと思いますが、メディアでは未だに使われています。
女房役から発展して、正捕手のことを「正妻」と呼んだりもします。
【野球】キャッチャーの役割とは?
キャッチャーはピッチャーの投球を受けるだけでなく、様々な役割を担っています。
その中でも特に重要な3つの役割を紹介していきます。
キャッチャーの役割①配球
キャッチャーの重要な役割の1つに配球があります。
リードとも言われます。
ピッチャーが投げる球種やコースは、一球一球キャッチャーからサインを出して決められます。
キャッチャーがサインを出して、投手が頷いたり首を振ったりすることでコミュニケーションを取ってすり合わせます。
キャッチャーは投手や打者の特徴、打者の反応、試合の状況を総合して考えながら、ピッチャーをリードします。
正捕手クラスになると、後のシーズンのことを考えてあえてインコースを突いたりして「種まき」を行ったりもします。
キャッチャーの役割②盗塁阻止
盗塁を仕掛けてきたランナーを刺すのもキャッチャーの重要な役割の一つです。
盗塁阻止に成功した確率を「盗塁阻止率」と言い、キャッチャーにとっては重要な指標の一つになります。
リード面は経験していくことで身に付くからということで、盗塁を刺せる強肩選手を優先的に正捕手として育成することも多々あります。
キャッチャーの役割③投球を逸らさない
最近のピッチャーは平均球速が上がってきており、しかも鋭い変化球も増えてきました。
それだけバッターを抑えやすくなったものの、同時にキャッチャーの壁性能も重要になってきています。
いくら三振をとっても、キャッチャーが後ろに逸らしていたら試合になりません。
【野球】キャッチャーに求められる能力や性格とは?
ここではキャッチャーに求められる能力や性格を解説します。
強肩
キャッチャーの身体能力で一番必要なのは肩の強さです。
どんなに良いリードをしても、どうしてもランナーは出てしまいます。
盗塁され放題だと一気に戦況が苦しくなるため、ランナーが走るのを自重するレベルの強肩は備えておく必要があります。
頭の良さ
キャッチャーには頭の良さも必要で、特に記憶力と論理的思考力は必須です。
試合中はピッチャーと相手バッターの特徴をあらかじめ記憶しておいて、その場で配球を組み立てる必要があります。
往年の名キャッチャーは記憶力抜群で、彼らのYouTubeを見ていると何年も前の試合の配球を未だに事細かに覚えていたりします。
その時の状況やバッターの特徴などから、ベストな配球を論理的に導き出す頭の良さは良いキャッチャーの条件です。
狡猾さや非情さ
キャッチャーには、狡猾さや非情さが必要です。
チームが勝つためには、相手の弱点を攻め続けたり、時には当てても良いから内角を攻める指示をしなければなりません。
そのため、キャッチャーは優しすぎる性格では務まらないと言われており、過去には西武と中日で活躍した和田一浩氏は「優しすぎる」という理由でキャッチャーから外野にコンバートされました。
【野球】キャッチャーで有名な選手は誰?
プロ野球界には名捕手がたくさんいますが、ここでは特に知っておくべき有名なキャッチャー3名を紹介します。
古田敦也
「キャッチャーと言えばこの人」というくらい有名なのが、元ヤクルトの古田敦也選手。
打てて守れるキャッチャーで、全盛期は常にクリーンアップを打ちながら正捕手をこなしていました。
守備面では超強肩として有名で、通算盗塁阻止率.462、1993年の盗塁阻止率.644はNPB記録です。
現在の2リーグ制の形でのプロ野球の存続にも大きく貢献しており、キャッチャーとしてだけでなく人間性も大きく評価される偉大な人物です。
城島健司
キャッチャーとして日本人初かつ唯一のメジャーリーガーの城島健司選手。
前述の古田氏には長打力で勝り、ホークス時代には広い福岡ドームを本拠地にしながらシーズン30本塁打を3度記録。
メジャーでは2006年に18本のホームランを打ちました。
2006年はMLBの全キャッチャーの中で7位のホームラン数でした。
守備面では座りながら二塁送球できるほどの超強肩の持ち主で、MLBでリーグトップの盗塁阻止率.465を記録したこともありました。
甲斐拓也
現役で有名なキャッチャーとして紹介するのが、ソフトバンクの甲斐拓也選手。
直近のWBC正捕手としても活躍していて、2022年まで6年連続ゴールドグラブ賞受賞中の守備型の捕手です。
捕手としての能力の高さを数多くの捕手出身のOBに褒められています。
ソフトバンクの育成選手出身で、年俸270万円から2億1000万円に這い上がった苦労人でもあります。
【野球】キャッチャーの役割とは?求められる能力を解説!有名選手は誰? 【まとめ】
この記事では、キャッチャーの役割や求められる能力を解説し、最後に有名なキャッチャーについて紹介しました。
野球におけるキャッチャーとは、ピッチャーが投げたボールを受ける役割の選手です。
キャッチャーに求められる能力は、肩の強さ、頭の良さ、狡猾さや非情さと言われています。