プロ野球のニュースでよく聞く「セーブ」。
この記事では、セーブがつく条件や意味、ホールドとの違い、歴代のセーブ記録について紹介していきます。
【野球】セーブとは?意味を解説!
野球におけるセーブとは、リリーフ投手がリードを保ったまま試合を終了することで得られる投手記録のことです。
英語ではそのまま「Save」と書きます。
日本では「抑え」や「守護神」、アメリカでは「クローザー」
一般的に、現代の野球では7回、8回、9回それぞれを担当するリリーフ投手がいます。
その中でセーブがつくのは、試合を締めくくる9回担当のピッチャーです。
この9回担当の投手のことを、日本では「抑え」や「守護神」、アメリカでは「クローザー(Closer:試合を閉じる人)」と呼びます。
日本を代表する抑えだった佐々木主浩氏は、特別に「大魔神」という愛称で親しまれました。
【野球】セーブが生まれた起源
セーブは、1969年にアメリカで初めて公式記録として認定されました。
MLBで「セーブ」の概念が生まれた経緯
MLBでは1940年代後半からリリーフを専門とする投手が出現。
当時の投手の評価指標は勝利数もしくは防御率しかない時代で、リリーフ投手を評価する指標がありませんでした。
特に勝利数に関しては、リリーフ失敗して先発の勝利投手の権利を消した上で自分に勝ちが転がって来ることもあるため、リリーフ投手の評価には使いづらい側面があります。
そこで一人の新聞記者が提唱したのが、リリーフがリードを保ったまま試合を終わらせると得ることができる「セーブ」という概念。
シカゴ・トリビューン紙のジェローム・ホルツマンという記者の方です。
ホルツマン氏がリリーフ投手の評価基準としてのセーブの必要性をMLBに訴え続けたことで、1969年にセーブが公式記録として扱われるようになりました。
ちなみにセーブの概念が生まれた後、リリーフの分業化がさらに進み、「セーブ以外にもリリーフ投手を評価する指標が必要だよね」となりました。
そこで1986年に生まれた概念が「ホールド」です。
ホールドはMLBでは公式記録として採用されていません。
日本でのセーブの導入はいつから?
日本では、1974年にセーブが公式記録として導入されました。
導入初年度となった1974年のセ・リーグセーブ王は中日の星野仙一氏で10S、パ・リーグは南海の佐藤道郎氏で13Sでした。
【野球】セーブの条件を詳しく解説!【何点差?】
セーブは、まず前提条件をすべて満たした上で、登板時の状況に合わせて記録されるかされないかが決まります。
【セーブ】満たすべき前提条件4つ
セーブを記録するためには、まずこの4つの条件をすべて満たす必要があります。
- 勝利投手ではない
- 勝利チームの最後のアウトを取る
- 1/3イニング以上投げる
- 最後までリードを守り切る
登板時の条件①3点差以内かつ1イニング以上投げる
一番よくあるパターンです。
上記の前提条件を全て満たした上で、3点差以内かつ1イニング以上投げた場合はセーブが記録されます。
8回まで3点リードしていて、9回の1イニングを抑えの投手が抑えるような状況を思い浮かべると分かりやすいです。
登板時の条件②2連続HRで同点もしくは逆転される場面での登板
一番ややこしいパターンです。
前提条件をすべて満たし、かつ2連続HRで同点もしくは逆転される場面で登板した場合、1/3イニング以上を抑えて試合終了することができればセーブがつきます。
「2連続HRで同点もしくは逆転される場面」とは、詳しくは下記の4つの場面が考えられます。
- ランナー無し:点差が2点差以内(ソロHR2本で同点)
- ランナー1人:点差が3点差以内(2ランHR+ソロHRで同点)
- ランナー2人:点差が4点差以内(3ランHR+ソロHRで同点)
- ランナー満塁:点差が5点差以内(満塁HR+ソロHRで同点)
セーブがつく最大点差は5点。
例えば、5点差の9回2アウト満塁で登板し、1アウト取って試合終了させることができればセーブがつきます。
登板時の条件③3イニング以上投げる
前提条件をすべて満たし、かつ3イニング以上投げてリードを保ったまま試合を終了させることでセーブが記録されます。
この場合、点差は何点でも関係ありません。
近年はリリーフで3イニング以上投げる例は少ないため、かなりレアなパターンです。
【野球】セーブとホールドの違い
セーブとホールドの違いはこれらが挙げられます。
比較項目 | セーブ | ホールド |
---|---|---|
登板場面 | 試合を締めくくる必要がある | 試合を締めくくってはいけない |
記録される人数 | 1試合1人のみ | 複数人可能 |
記録される場面 | 勝たないとつかない | 試合に負けても記録される |
公式記録かどうか | 公式記録 | MLBにおいて公式記録ではない |
基本的には、ホールドよりもセーブの方が価値があると捉えられています。
それは、抑え投手の年俸がセットアッパーの年俸より高かったり、ホールドがMLBで公式記録扱いされていないことからも明らかです。
理由は、セーブの1試合で勝利チームの試合を締めくくった投手1人のみに記録される希少性の高さにあると考えられます。
ホールドについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
【歴代】日本人選手の日米通算セーブランキング
日本人選手のNPBとMLBを合算した通算セーブランキングです。
【NPB】シーズンセーブ数ランキング
日本プロ野球におけるシーズンセーブ数のランキングです。
順位 | 選手名 | セーブ数 | 年度 |
---|---|---|---|
1 | サファテ | 54 | 2017 |
2 | 岩瀬仁紀 | 46 | 2005 |
2 | 藤川球児 | 46 | 2007 |
4 | 佐々木主浩 | 45 | 1998 |
5 | 岩瀬仁紀 | 43 | 2007 |
5 | サファテ | 43 | 2016 |
【野球】セーブとは?条件は何点差?ホールドとの違いも解説!【まとめ】
この記事では、セーブがつく条件や意味、ホールドとの違い、歴代のセーブ記録について紹介しました。
セーブとは、リリーフ投手がリードを保ったまま試合を終了することで得られる投手記録のことです。
セーブは勝ち試合を締めくくる必要があることから希少性が高く、その点でホールドとは一線を画していると言えます。