最近よく見る野球の「K/BB」という指標。
この記事では、K/BBの意味や計算方法、優秀な投手の目安、K/BBランキングについて紹介していきます。
【野球】K/BBとは?意味や計算方法を解説!
K/BBとは、1四球を与えるまでに何個三振を奪えるかの指標で、運に左右されない安定感の高さを意味します。
K/BBの計算方法
「K/BB」は指標の名前自体が計算式になっており、「K=奪三振」を「BB=与四球」で割ります。
KをSOで言い換えて、SO/BBとも言われたりします。
- K(SO)=Strikeout(三振)
- BB=Base on Balls(四球)
すなわち、1四球あたりの奪三振数が導き出せることになります。
K/BBが高い投手は安定感が高い
K/BBは1四球あたりの奪三振数という意味なので、数値が高い投手ほど安定感が高いと言えます。
これは、四球と三振は投手の純粋な実力のみで起こる結果であり、それ以外のヒットや内野ゴロなどのプレーは野手の守備力や球場に依存するからアテにならないという考えから来ています。
つまり、四球が少なく三振を奪える投手(K/BBが高い投手)は、野手の守備力にかかわらず安定して勝てる投手であると言えます。
逆にゴロピッチャーで三振が少ない投手(K/BBが低い投手)は、野手の守備力によっては大崩れすることもある不安定な投手であるということになります。
例えば、元ヤンキースでシンカーを武器にゴロの山を築いた王建民投手と奪三振マシーンだったランディ・ジョンソン投手のK/BBを比較した結果がこちら。
- 王建民(2006年):奪三振76 / 与四球52=K/BB1.46
- R・ジョンソン(2001年):奪三振372 / 与四球71=K/BB5.24
王投手はシンカーを打たせてゴロアウトを取るため、バットに当てさせる弊害として被安打が多かったのが特徴です。
この年は結果的に19勝したものの、防御率3.63、WHIP1.31と安定感に欠けました。
一方で、ランディ・ジョンソン投手はそもそもバットに当てさせないスタイルなので、被安打も少なく安定していました。
この年21勝をあげて、防御率2.49で最優秀防御率を受賞。
このことから、K/BBが高い投手は安定性が高い投手と言えます。
【K/BB】優秀な投手の目安は?
優秀な投手のK/BBの目安は3.50以上と言われています。
公式の基準はありません。
参考までに、現在の日本球界のエース・山本由伸投手の通算K/BBは4.23。
2022年にK/BBが3.50を超えた投手は9人。
- 加藤貴之:8.91
- 山本由伸:4.88
- 今永昇太:4.55
- 宮城大弥:4.23
- 田中将大:4.20
- 青柳晃洋:4.13
- 菅野智之:4.00
- 小笠原慎之介:3.64
- 西勇輝:3.58
これらの投手は、無駄なフォアボールを出さず、三振も奪える好投手です。
チームの守備力にも依存しにくいため、運に左右されず安定感抜群で、特にK/BB1位の加藤投手はもしFA宣言すれば引く手あまたになるはずです。
【歴代・シーズン】K/BBランキング
ここでは歴代とシーズンのK/BBランキングを紹介します。
【歴代】K/BBランキング
順位 | K/BB | 選手名 |
---|---|---|
1 | 4.068 | 土橋正幸 |
2 | 4.293 | 杉浦忠 |
3 | 3.580 | 稲尾和久 |
4 | 3.554 | 村山実 |
5 | 3.550 | 岸孝之 |
6 | 3.511 | 杉内俊哉 |
7 | 3.321 | 遠藤一彦 |
8 | 3.230 | 小山正明 |
9 | 3.191 | 江夏豊 |
10 | 3.175 | 金子千尋 |
【シーズン】K/BBランキング
【野球】K/BBとは?意味や計算方法を解説!優秀な投手の目安は?【まとめ】
この記事では、K/BBの意味や計算方法、優秀な投手の目安、K/BBランキングについて紹介しました。
K/BBとは、1四球を与えるまでに何個三振を奪えるかの指標で、運に左右されない安定感の高さを意味します。
優秀な投手のK/BBの目安は3.50と言われており、2022年の日本球界でK/BBが3.50以上の投手は9人しかいませんでした。