長期に渡りアメリカで活躍し続けている日本人メジャーリーガー、ダルビッシュ有と大谷翔平。
日本ハムから世界へ羽ばたいたスーパースターの2人ですが、どちらがすごいのでしょうか?
この記事では、ダルビッシュ有と大谷翔平を様々な角度から比較、どちらがすごいのかを検証していきます。
【ダルビッシュvs大谷翔平】WARで比較
まずは選手の総合的な貢献度を表すWARで比較していきます。(MLB時代のみ)
通算WAR比較
ダルビッシュ有と大谷翔平の通算WARは以下の通りです。(2023年シーズン終了時点)
選手名 | 通算fWAR | 通算rWAR |
---|---|---|
ダルビッシュ有 | 34.4 | 31.0 |
大谷翔平 | 31.7 | 34.7 |
WARは通算本塁打などのように積み上がっていくタイプの指標で、基本的に長くプレイすればするほど通算の数値は高くなります。
WARはプレイの質が低ければ減少することもありますが、基本は積み上げ式です。
長くプレイしているダルビッシュ有の方が有利になるため、MLB在籍年数で割って比較します。
WAR(年数で割った平均値)で比較
通算WARを在籍年数で割った数値としては以下の通り。
選手名 | 年平均fWAR | 年平均rWAR | MLB在籍年数 |
---|---|---|---|
ダルビッシュ有 | 2.87 | 2.58 | 12 |
大谷翔平 | 5.28 | 5.78 | 6 |
このようにWARにおいては大谷翔平の圧勝という結果となりました。
ただ、この結果は当然。
投打で活躍する大谷翔平は投手としても打者としてもWARを稼げるため、このように圧倒的な数字を残すことができます。
二刀流の大谷は唯一無二の存在で、野球選手という大きな括りで見ると現在の野球選手は誰も彼に勝てないでしょう。
WARという指標においては二刀流の大谷は最強で、ダルビッシュだけでなくどんな選手であっても勝ち目がないので、次項では投手のみの指標にフォーカスして比較していきます。
【ダルビッシュvs大谷翔平】投手指標で比較
ここではダルビッシュ有と大谷翔平の投手指標にフォーカスして比較していきます。
投手としての通算成績
勝ち星などの通算成績においては、長くプレイするダルビッシュ有が一歩リード。
一方で、6年のメジャーリーグ在籍で2度のトミー・ジョン手術を受けて稼働期間が短い大谷翔平は、稼働こそ少ないものの、防御率やWHIPにおける質は非常に高いことが伺えます。
選手名 | 投手通算成績 |
---|---|
ダルビッシュ有 | 266試 103勝85敗 防3.59 WHIP1.14 |
大谷翔平 | 86試 38勝19敗 防3.01 WHIP1.08 |
純粋な投手能力を測る『xFIP』では?【キャリアハイ/通算】
上記の防御率やWHIPなどの指標は、純粋な投手能力に加えて、インプレイの打球を捌く野手の守備力という要素が含まれます。
もし守備範囲が極端に狭い野手が守っていた場合、普通であれば取れたアウトが取れないケースがあったり、逆に野手のスーパープレーでラッキーなアウトが取れたりと、インプレイの要素が入ると純粋な投手能力を測ることができません。
そこで、インプレイの影響を排除し、純粋な投手能力を測る指標としてxFIPが生まれました。
xFIPは、投手に責任がある「奪三振、与四球、被本塁打*」の要素から計算される指標で、これを用いて両者を比較していきます。
選手名 | キャリアハイxFIP | 通算xFIP |
---|---|---|
ダルビッシュ有 | 2.84(2013年) | 3.41 |
大谷翔平 | 2.65(2022年) | 3.29 |
xFIPは防御率と同じ見方で、数値が低いほど良いです。
xFIPを見ると、大谷の方がわずかに上回っているものの、防御率の場合と比較して両者の差が縮まり、そこまで差がないことが分かりました。
【まとめ】安定感があるダルビッシュに分がある
ダルビッシュはこれまで7度も規定投球回をクリアしており、大谷とはこれまで投げてきたイニング数が圧倒的に違います。
大谷がここから1200イニング近くを高いクオリティで投げ続けられる保証はどこにもなく、長年ずっと安定しているダルビッシュの方が上という見方もできます。
【ダルビッシュvs大谷翔平】国際大会の成績で比較
ダルビッシュと大谷翔平は、どちらとも国際大会に出場経験があります。ここでは国際大会の成績を比較します。
ダルビッシュの国際大会の通算成績
まずはダルビッシュ。WBCで2度の優勝を経験するも、3大会通じての通算防御率は3.81。
大会名 | チーム成績 | 個人成績 |
---|---|---|
北京オリンピック(2008) | 4位 | 3試 0勝1敗 7回 防5.14 |
WBC2009 | 優勝 | 5試 2勝1敗 13回 防2.08 |
WBC2023 | 優勝 | 3試 1勝1敗 6回 防6.00 |
大谷翔平の国際大会の通算成績
続いて大谷翔平。
2023年のWBCでは自身が中心選手として優勝に導きました。残した成績も優秀で、打者として通算打率.435、投手としては通算防御率0.79。
大会名 | チーム成績 | 個人成績 |
---|---|---|
プレミア12(2015) | 3位 | 2試 1勝0敗 13回 防0.00 |
WBC2023 | 優勝 | 3試 2勝0敗1S 9.2回 防1.86 7試 率.435 1本 8点 1盗 OPS1.345 |
国際大会に関しては大谷翔平の方が強い
国際大会においては、ダルビッシュはWBCで2度の優勝を経験しているものの、個人成績としては大谷翔平に劣る結果となりました。
【ダルビッシュvs大谷翔平】年俸額で比較
ここではダルビッシュと大谷の年俸額を比較します。
生涯年俸額での比較
両者の生涯年俸額はこのようになっています。
選手名 | 生涯年俸額 |
---|---|
ダルビッシュ有 | 326億4000万円 |
大谷翔平 | 895億1700万円 |
ダルビッシュもとんでもない額を稼いでいるのですが、大谷が桁外れの契約をしてしまったために倍以上の差が開きました。
ただし、ダルビッシュは36歳にして6年契約を締結(42歳まで契約が続く)しており、40歳で長期契約が終わることが多いメジャーにおいてこれはかなり異例。
この点においては、パドレスのダルビッシュに対する抜群の信頼感を感じます。
最高年俸額での比較
最高年俸額でも大谷翔平が圧勝。
選手名 | 最高年俸額 | 年度 |
---|---|---|
ダルビッシュ有 | 2500万ドル(30億円) | 2018年 |
大谷翔平 | 7000万ドル(84億円) | 2024~33年 |
2018年時点では、ダルビッシュはMLB全体の年俸ランキングで11位タイに入るメジャー屈指の高給選手でした。
【まとめ】どちらがすごいではなく、両方ともすごすぎる
ここまでWAR、投手指標(xFIP)、国際大会の成績、年俸の観点からダルビッシュ有と大谷翔平を比較しました。
実際のところ、ほとんどの比較で大谷に軍配が上がったものの、大谷は二刀流で特別なため比較対象としてはチートに近いものがあります。
大谷がすごすぎるだけで、ダルビッシュも他の選手と比較すると飛びぬけてすごい存在であることは確か。
例えば、ダルビッシュは2023年までは日本人プロ野球選手の生涯年俸ランキングでイチローを抑えて1位でした。
どちらがすごいというのではなく、両方ともすごすぎるのです。