何となく聞くけど、実際意味が分からない野球用語「WAR」。
特にMLBではWARは選手の評価の際に重要視されており、日本でも広まってきている指標です。
そこでこの記事では、WARとは何か解説し、MLBのWARランキングについて紹介していきます。
【野球】WARとは?
WARとは「Wins Above Replacement」の略で、代替可能選手が出場した時と比較してどれだけ勝利を上乗せできるかを表す指標です。
代替可能選手とは?
代替可能選手とは、最低年俸ですぐにでも契約できる3A所属やFAの選手のことを指します。
ゲームをする人向けに簡単に例えると、「やきゅつく」で新しく始めた時にチームに最初から在籍しているモブキャラのような意味合いです。
パワプロのサクセスのモブキャラとも言えます。
WARは高ければ高いほど優れた選手
WARの計算方法としては、「打・走・守・投」全ての能力を数値化して足して、ポジションごとに補正をかけます。
補正はポジション間の不平等を無くすために、捕手や遊撃手などの守備負担が大きいポジションを守る選手に高い補正値を与え、逆に負担が軽いDHや一塁手などにはマイナス補正値が与えられることを意味します。
これでポジション間の不平等を無くします。
そのため、数値が高ければ高いほど優れた選手であることを意味し、また補正をかけることで投手・野手のポジション問わずに比較することが可能になります。
WARの目安
fWARの場合、1シーズンの数値によって下記のように評価されます。
評価 | fWAR |
---|---|
MVP受賞級選手 | 6以上 |
スーパースター | 5-6 |
オールスター級選手 | 4-5 |
レギュラーの中でも有能な選手 | 3-4 |
レギュラー | 2-3 |
ベンチ | 1-2 |
二流選手 | 0-1 |
以下に続く数値の参考にしてくださいね!
【2023年】日本人メジャーリーガーのWARは?【大谷は?】
2023年シーズン終了時点の日本人メジャーリーガーのWARがこちら。
大谷選手が言うまでもなく圧倒的ですが、千賀、ヌートバー、鈴木の3選手はかなり健闘していると言えます。
ダルビッシュ有投手のチームメイトである韓国人のキム・ハソン選手のfWARは4.4で、アジア人の中では2位につけています。
これは二塁・三塁・遊撃という守備負担が大きいポジションを、高いレベルで守れることが大きく影響しています。
MLBのWARランキング【2023年最新】
2023年シーズンのMLBのWARランキングがこちら。
順位 | 選手名 | チーム | fWAR |
---|---|---|---|
1 | 大谷翔平 | LAA | 9.0 |
2 | ムーキー・ベッツ | LAD | 8.3 |
3 | ロナルド・アクーニャJr | ATL | 8.3 |
4 | フレディ・フリーマン | LAD | 7.9 |
5 | マット・オルソン | ATL | 6.7 |
6 | マーカス・セミエン | TEX | 6.3 |
7 | コーリー・シーガー | TEX | 6.1 |
8 | フランシスコ・リンドーア | NYM | 6.0 |
9 | コービン・キャロル | ARI | 6.0 |
10 | ザック・ウィーラー | PHI | 5.9 |
大谷、ベッツ、アクーニャJrの3強は変わらずですが、ツーベースマシンと化したフリーマン選手がマイナス補正がかかる一塁手でありながらWAR7.9という離れ業を見せています。
過去のWAR推移はこちら
MLBのWARランキング【2023年7月15日時点】
順位 | 選手名 | チーム | fWAR |
---|---|---|---|
1 | 大谷翔平 | LAA | 6.1 |
2 | ロナルド・アクーニャJr | ATL | 4.8 |
3 | ムーキー・ベッツ | LAD | 4.2 |
4 | ケビン・ガウスマン | TOR | 4.0 |
5 | ショーン・マーフィー | ATL | 3.9 |
6 | フレディ・フリーマン | LAD | 3.9 |
7 | コービン・キャロル | ARI | 3.8 |
8 | ワンダー・フランコ | TBR | 3.8 |
9 | ザック・ガレン | ARI | 3.7 |
10 | ルイス・ロバートJr | CHW | 3.7 |
1位は大谷選手で、打者としてのWARが4.3、投手としてのWARが1.8で、WARの合計値が6.1となります。
打者としてのWAR4.3だけでもMLB全体で2位、ア・リーグではトップとなり、大谷選手の凄まじさが分かります。
守備をしないDHは守備分のWARの積み上げができないにも関わらず、です。
MLBのWARランキング【2022年】
2022年シーズンのMLBのWARランキングがこちら。
順位 | 選手名 | チーム | fWAR |
---|---|---|---|
1 | アーロン・ジャッジ | NYY | 11.5 |
2 | 大谷翔平 | LAA | 9.5 |
3 | マニー・マチャド | SDP | 7.4 |
4 | ノーラン・アレナド | STL | 7.3 |
5 | ポール・ゴールドシュミット | STL | 7.1 |
6 | フレディ・フリーマン | LAD | 7.1 |
7 | フランシスコ・リンドーア | NYM | 6.8 |
8 | ヨルダン・アルバレス | HOU | 6.7 |
9 | ホセ・アルトゥーベ | HOU | 6.6 |
10 | ムーキー・ベッツ | LAD | 6.5 |
2022年MLB全体のWARランキングはジャッジ選手が1位で11.5という結果。
大谷選手は投打にフル回転して規定打席と規定投球回に両方到達する快挙を達成したものの、WARベースではジャッジ選手に2.0劣っていることからMVPを逃したと言えます。
このあたりは数字できっちり判断していて、MVP投票した記者は冷静だったと言えるかもしれません。
MLBの歴代通算WARランキング【現役選手のみ】
MLBにおける歴代通算WARランキング(現役選手のみ)がこちら。
順位 | 選手名 | fWAR |
---|---|---|
1 | マイク・トラウト | 85.3 |
2 | クレイトン・カーショー | 79.3 |
3 | ジャスティン・バーランダー | 78.7 |
4 | ザック・グレインキー | 76.9 |
5 | マックス・シャーザー | 72.9 |
6 | ミゲル・カブレラ | 67.4 |
7 | ジョーイ・ボット | 64.9 |
8 | ポール・ゴールドシュミット | 60.9 |
9 | ムーキー・ベッツ | 60.5 |
10 | コール・ハメルス | 59.0 |
MLBの現役選手の歴代WARランキング1位は、トラウト選手の85.3です。
全盛期は圧倒的な打力を誇ったミゲル・カブレラ選手も十分凄いにもかかわらず20ポイント近く離しているのは、トラウト選手が走攻守全てで高い能力を発揮してきた証拠です。
歴代日本人メジャーリーガーのWARは?【イチロー/松井/大谷】
歴代日本人メジャーリーガーのWARランキングTOP10です。
イチロー氏がダントツで1位です!大谷選手は現在2位で、これからイチロー氏を抜く可能性は十分にあります。
【2023年】MLBのWARランキング!日本人メジャーリーガーのWARは?【まとめ】
この記事では、WARとは何かを解説し、MLBのWARランキングについて紹介しました。
2023年の大谷選手のfWARは7月15日時点で6.0に達し、fWARベースの評価では現時点で既にシーズンMVP級の活躍をしていることになります。